トヨタの35車種を販売
いっぽうで、トヨタは、近年のSUV(スポーツ多目的車)人気に加え、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)の取り組みを背景に、C-HR、ヤリスクロスといった車種が新しく生まれ、ダイハツと共同開発となるライズも新たに加わった。これらの販売が好調だ。
スープラの復活もある。ワゴンではグランエースが登場した。そして、OEM(他車を自社の車名で販売する)によるダイハツの軽自動車もトヨタ車名で販売しているので、トヨタ車の一覧を見ると、35車種前後に達する。
永年にわたりトヨタの販売店は車種によって系列が分かれていたが、現在はどの店でも同じ車種を扱うようになっているので、たとえば一セールススタッフとして30~40台近い車種を扱うとなると、商品知識で頭のなかはパンクしそうなくらいではないか。
ほかに、トヨタは高級車ブランドであるレクサスも国内で展開している。
販売店規模からすれば日産の車種は少なすぎるわけではない
日産は、新しい車種といえるのはSUVのキックスくらいで、かつてと比べて増えたのは軽自動車の充実だろう。
カルロス・ゴーン元社長が軽自動車にも力を入れようと考え、三菱自動車工業と合弁会社NMKV(日産・三菱・軽・ヴィークル)を設立した。軽自動車を含めた合計は、20車種前後となる。
日産も、かつての販売店系列をなくしており、全国の販売店数はトヨタの約半分とみられるので、新車を売る側とすれば車種が少なすぎることはないかもしれない。
それよりも、スカイラインやマーチなど10年前後モデルチェンジのない車種があることのほうが問題ではないか。
メルセデスベンツ、BMWはラインナップ増殖
国内2大自動車メーカーに対し、輸入車ではドイツ勢が堅調で、販売車種はメルセデスベンツが20車種以上、BMWは30車種前後におよび、相当な数の選択肢を持つ。
メルセデスベンツではコンパクトSUVのGLBが新しく、またクーペの多さが目立ち、7車種もある。さらにはAMGに4ドア車が加わるといったこともあった。
BMWでも、永年の3、5、7という4ドアセダンを基本としたシリーズ以外の、クーペやカブリオレといった扱いとなる4、6、8と偶数で表されるシリーズが増えているのに加え、各シリーズに高性能車であるMが揃う。
もちろん、メルセデスベンツにも高性能車のAMGという選択肢が加わる。
こうしたことから、メルセデスベンツやBMWの勢いを感じるし、国内における輸入車販売でドイツ勢が堅調なことも頷けそうだ。東京都内を歩いていると、2台に1台が輸入車、なかでもドイツの高額車種といった印象を与えさえする。
それでも、国内市場における輸入車の占有率は2019年で6.7%と、10%に満たない。輸入車販売が大都市圏に集中し、それ以外で伸び悩んでいるからだ。
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