【スカイラインGT-R、ランエボ…】日本が生んだ奇跡の時代のクルマたち

■トヨタスープラ 448万円(RZ)

 25年も前の作品だが、今でもカッコいいと思えるプレミアムスペシャルティカーがJZA80系スープラだ。スーパーGTに参戦していたし、10年近く第一線で活躍していたから覚えている人も多いだろう。

 93年5月に第2世代のスープラに登場したが、走りはピュアスポーツカーのレベルにあったのである。

 ボディとホイールベースを切り詰め、逆に全幅は120mmもワイド化しているのだ。背も低い。ボリュームを増したホディのフロントにはアクティブスポイラーを、リアには大型のスポイラーを装着した。

 パワートレーンも凄い。心臓は3Lの直列6気筒DOHC2ウェイツインターボが主役だ。規制枠いっぱいの280psを軽々と発生し、最大トルクは44.0kgmと分厚い。これに電子制御スロットルとゲトラグ社と共同開発した6速MT(4速ATもある)を組み合わせた。

 サスペンションはニュルブルクリンクで鍛えた4輪ダブルウイッシュボーンで、RZはビルシュタイン製をおごっている。痛快な加速と冴えたフットワークにシビれた人も多いはず。

■日産スカイラインGT-R 559.8万円(Vスペック)

 10代目のスカイライン、R34系は原点回帰を図り、ボディとホイールベースを短く詰めた。また、サーフィンラインも復活させている。

 このモデルにGT-Rが登場するのは1999年1月だ。この時点ですでに日産車内ではV型6気筒エンジンの搭載も検討されたが、抵抗勢力も多かったため、RB26DETT型直列6気筒DOHCツインセラミックターボを継承している。

 だがターボの軸受け部をボールベアリング化し、最大トルクを40kgmの大台に乗せた。トランスミッションもゲトラグ社製の6速MTだ。

 Vスペックは、多板クラッチを用いて左右のトルクをスプリットコントロールするアクティブLSD統合制御のアテーサE-TSプロを採用し、意のままの走りに磨きをかけている。

 また、空力性能を向上させるためアドバンスドエアロシステムと呼ばれるディフューザーも装備した。

 その効果は絶大で、サーキットでは路面に吸いつくように安定した走りを見せつけている。最終型の「ニュル」はN1レース用のエンジンを積むなど、エンジニアの情熱がほとばしっていた。

■このクルマたちがあったからこそ……

 21世紀になって間もなく、自動車にはより厳しい2002年排ガス規制が待ち構えていた。正確には「平成12年排ガス規制」と呼ばれるもので、猶予期限は2002年8月31日だった。

 排ガス規制を乗り切れないために、このリミットを境目として、20世紀の名車が相次いで生産を打ち切った。

 RB26DCETT型DOHCツインターボを搭載し、サーキットでも圧倒的な強さを誇ったBNR34型スカイラインGT-Rを筆頭に、80系スープラやS15型シルビアがこのタイミングで新車市場から姿を消している。

 スープラに搭載されていたトヨタの2JZ-GTE型直列6気筒DOHCツインターボはアリストに積まれて残った。だが、スポーツクーペの時代は終わったということで、スープラは生産終了に追い込まれたのだ。

 また、13B-REW型ロータリーターボを積んだRX-7も(4ドアの)RX-8にバトンタッチする。

 2000年代初頭を境に、クルマ好きに夢と希望を与え、操る楽しさを教えてくれた高性能スポーツクーペが終焉を迎えたのだ。

 だが、コイツたちは今でも魅力的だし、おそらくこの先、もうこういうクルマが続々と発売されることはないだろう。

 ただし、こうして各メーカーが性能を競い合っていた時代があったからこそ、今の日本車の繁栄があったのである。それは忘れないでほしい。

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