GRヤリスの『GR-FOUR』はランエボ&WRXと基本が違う!? 特長と弱点解消の秘密兵器とは

前後の駆動力配分はスポーツモードで30対70!

SPORTモードでは、前輪30:後輪70の駆動力配分。この他にTRACKモード(前50:後50)、NORMALモード(前60:後40)があり、様々な走行モードで運転が楽しめる
SPORTモードでは、前輪30:後輪70の駆動力配分。この他にTRACKモード(前50:後50)、NORMALモード(前60:後40)があり、様々な走行モードで運転が楽しめる

 ということで標準モデルとなるGRヤリスのGR-FOURは、油圧カップリングを繋いだ状態にすると前後の駆動力配分が前30の後70くらいになると考えていい。

 これを『スポーツモード』としている。ただ、それだとコーナーでアクセル踏んだらオーバーステア。後輪から流れていってしまう。前輪の駆動力を充分に使えなくなることを意味します。

 そこで『トラックモード』を設定。油圧カッペリングの締結力を少し緩めることで、前輪側に駆動トルクが多く伝わるようにしている。トヨタのリリースによれば、トラックモードの前後駆動力配分は50対50になるという。

 さらに締結力を緩めてやれば最終的にFFとなるのだけれど、そういった制御は意味ないためやっていない。また、スポーツモードだと曲がりすぎるし、タイム出すためのトラックモードはアンダー傾向になることもある。

走行モードで一番バランスが良いのは、NORMALモード(前60:後40)である。油圧カップリングの油音の上昇はあるもの、問題ない範囲だという
走行モードで一番バランスが良いのは、NORMALモード(前60:後40)である。油圧カップリングの油音の上昇はあるもの、問題ない範囲だという

 そこで通常の走行時は最もバランスのよい『ノーマルモード』とし、これまたトヨタによると前60の後40という駆動力配分にしているという。ヨーロッパのユーチューバーを見てると、スポーツモードで「ひゃっほ~!」してますね。

 ここまで読めばわかる通り、油圧カップリングの制御は、スポーツモードが「ロック」状態。トラックモードで少し緩め、ノーマルではさらに緩めている。

 ここまで読んで「緩めているトラックモードだと滑りが出るため油圧カップリングの油温が上昇するのでは?」と思うだろう。トヨタに聞くと「上昇しますが問題のない範囲です」。

スポーツ四駆『GR-FOUR』の弱点とそれを解決するオプションは?

GR-FOURの弱点にあげられるのが、グラベル(非舗装路面)での全開走行である。グラベルを全開走行する際は、等速トランスファーをオプションでつけるといい
GR-FOURの弱点にあげられるのが、グラベル(非舗装路面)での全開走行である。グラベルを全開走行する際は、等速トランスファーをオプションでつけるといい

 ということで、簡単かつ歯車式のセンターデフより20kgくらい軽量な素晴らしいシステムのGR-FOURながら、弱点もある。それはグラベルです。

 グラベルを速く走ろうとすれば前後の駆動力配分は50対50が基本。私もインプレッサWRXのグループNでラリーに出ていた際、SSを走る前、必ず「前後ロック」の50対50にします。

 前述の通りGR-FOURで前後の駆動力配分を50対50にしようとしたら、油圧カップリングを常時滑らせてないとならない。舗装路であれば大きな回転差出ないため油圧上昇もミニマムながら、グラベルだと常時大きく滑らせることになってしまう。

 しかもラリードライバーはアホなので全開全開常に全開だ。滑りっぱなしになっちゃうワケです。さすがのGR-FOURも油圧上昇し、セーブモードに入ってしまう。そこで考えたのが、前後の回転数を均等にしたグラベル用の等速トランスファー。

 標準仕様は後輪の回転数を若干大きめにしているトランスファーながら、グラベル用のみ前後均等。これだと油圧カップリングを完全に繋いだ状態で前後駆動力配分を50対50にできる。

 結果、ラリードライバーがいくら全開しても油圧カップリングは繋がったままなので油圧上がらないという寸法。ということだからして、アホみたいに全開でグラベルを走らないのなら標準。

 雪道やグラベルをずっと前後駆動力配分50対50のまま全開で走りたい人は、オプションの等速トランスファーを選べばよろしい。

【画像ギャラリー】本文未掲載写真あり! 製造工場 GR FACTORYからみるGRヤリス

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