優れていると“アレ“がブレない!? プロが語る乗り心地が良い車の鉄則と見分けるコツ

優れていると“アレ“がブレない!? プロが語る乗り心地が良い車の鉄則と見分けるコツ

 「乗り心地が良い車って何ですか?」

 高級車は乗り心地が良く、安いクルマは乗り心地が悪いのではないかと思われがちですが実はそんなことはありません。では、ファミリーカーは乗り心地が良く、スポーツカーは乗り心地が悪い? そんなこともありません。

 「十人十色」という言葉があるように、住む地域によってそれぞれ運転する“環境”は違います。都心で数百メートルおきに信号で待たされる環境下で運転をしている人もいれば、北海道のように果てしない大空と大地でストレスフリーの運転をしている人もいます。

 車も運転する環境において様々な変化に対応しないといけないので十車十色なんて諺があっても良いのかもしれませんね。

 さて、漠然とした基準で評価してしまうと乗り心地の良し悪しの判断がつきませんので、本稿では筆者(=新井大輝)自身が、世界各国の道を巡ってきた経験値から考えていきたいと思います。

文/新井大輝 写真/編集部、RENAULT、BMW

【画像ギャラリー】高級車だからって良いとは限らない!? プロが考える乗り心地のヒミツ


■日本は「優しい路面」で欧州は「厳しい路面」?

世界的な視点で見ると、日本の路面のコンディションはかなり高い水準にある
世界的な視点で見ると、日本の路面のコンディションはかなり高い水準にある

 先ずは乗り心地を評価するうえで、どのような“路面”や“環境”が世界各地にあるのか知ることが大事です。

 海外での路面を嫌というほど走行してきた経験から日本の路面はかなり高い水準にあると知ることが出来ました。我々が当たり前だと思っている日本の道路の、美しく綺麗な平坦路は、世界でも数本の指に入る基準と言えるでしょう。

 道路の継ぎ目でも車の四輪が離れることは滅多にないですし、国内では大雨が降っても高速道路の路面に深い水たまりができることもなく、路面のグリップが大幅に変化することもありません。

 逆の見方をすれば、車にとっては“優しい路面”と言えるのではないでしょうか。

 次に海外の路面を考えていきましょう。

 評価前提として、今回はあくまで「舗装された路面」という条件で車の良し悪しを判断しようと思います。

 アフリカ大陸や東ヨーロッパや南アメリカで良くみられる未舗装路、いわゆる「グラベル」と呼ばれている路面は評価基準に加えないものとします。

 一応、車が通れるように未舗装路整地しているとは言え、同じ場所を何度も車が行き来すれば路面に深い轍もできますし、大雨で道が削られることも度々ありますからね。このような路面ではどんなに素晴らしい車であっても乗り心地は良くありません。

ヨーロッパの古都などには石畳敷きの道路も当たり前のようにある
ヨーロッパの古都などには石畳敷きの道路も当たり前のようにある

 今回は多くの自動車メーカが凌ぎを削っているヨーロッパの道を軸に比較していきます。ヨーロッパの路面は国によって路面の作り方も特徴もまるっきり違います。

 石畳の中世の街並みを残した趣のある路面もあれば、コンクリートのようなスムーズで無機質な路面と多種多様にあります。例えば、ドイツへ行けばアウトバーンと呼ばれる速度無制限の高速道路も存在しています。車の性能試験をするには申し分ないと言えるでしょう。

 総じて路面凹凸が多いヨーロッパの高速道路では、ボディ剛性とサスペンションの減衰バランスが取れていないと、ギャップで跳ねて容易にコントロール不能になります。そういった面からみてもヨーロッパの路面とは車に対して“厳しい路面”と言えるでしょう。

次ページは : ■乗り心地の良い車は「目線がブレない」

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