■後席の比較&ランキング
すべてのカテゴリーに当てはまる話だが、後席は車種によって快適性の差が大きい。前席はドライバーが正確な運転をできるように優先して開発され(狭くても広くても正確な運転は行えない)、残った部分が後席に割り当てられるからだ。そして前述の通り、SUVには荷室に3列目のシートを備えた車種もある。
こういった点を考慮すると、後席の1位はCX-8だ。
すべての車種に3列目シートを装着した。まず2列目の座り心地だが、シートのサイズに余裕があり、適度に柔軟で快適だ。身長170cmの大人4名が乗車した場合、2列目のスライド位置を後端に寄せると、膝先空間は握りコブシ2つ半になる。1列目の下側に足が収まることもあり、ゆったりと座れる。
特に6人乗りの2列目は、ミニバンのキャプテンシートのようなセパレートタイプで、エクスクルーシブモードなら2列目の中央にもカップホルダーや充電用USBを備えたセンターコンソールが装着される。リムジン的な雰囲気も味わえる。
CX-8の3列目に身長170cmの大人が座るには、2列目を前側にスライドさせて、膝先空間を握りコブシ1つ半まで詰める。そうすると3列目にも同等の膝先空間が割り当てられ、大人6名の乗車が可能だ。
3列目はミニバンと違って床と座面の間隔が乏しく、膝の持ち上がる姿勢になる。従って1/2列目に比べて3列目の快適性は下がるが、片道1時間の距離であれば大人の多人数乗車も可能だ。CX-8の3列目は、SUVの中では最も快適に仕上げられている。
後席の2位はCR-Vだ。1.5Lターボエンジン搭載車には、3列シート仕様も用意される。2列目の座り心地は着座姿勢が若干変わりやすいが、柔軟性が伴っておおむね快適だ。身長170cmの大人4名が乗車した時の膝先空間は、CX-8と同じく握りコブシ2つ半だから十分に広い。
3列目にも身長170cmの大人が座るには、2列目を前側にスライドさせて膝先空間を握りコブシ1つ分まで詰める。1列目の下側に足が収まりやすいため、膝先が握りコブシ1つ分でも窮屈には感じない。
この状態であれば、どうにか3列目に座れるだけの空間が確保される。3列目の膝先は握りコブシ半分程度で、頭部は天井に触れてしまう。それでも片道30分以内の移動なら、大人の多人数乗車も可能だ。
後席の3位はレクサスRXになる。RX450hLには3列目シートも装着される。2列目の座り心地は若干硬めで、もう少し柔軟にすると良いが、腰の支え方はしっかりしている。足元空間の広さはCX-8やCR-Vと同等だ。
レクサスRX450hLの3列目は完全な補助席で、2列目を前側にスライドさせても、かなり窮屈だ。大人が多人数で移動するとしても、片道15分程度までに限られる。
■荷室&シートアレンジの比較&ランキング
SUVにとって、荷室とシートアレンジも大切な機能だ。前述の通り荷室容量はステーションワゴンを上まわり、荷物の積載にも適しているからだ。
荷室&シートアレンジの1位はヴェゼルになる。既に次期型が披露されたが、荷室の機能とシートアレンジは、新旧モデルとも基本的に共通だ。
ヴェゼルはコンパクトなSUVだが、燃料タンクをフィットと同じく前席の下に搭載する。そのために荷室の床が低く、ボディサイズの割に広いスペースを得られた。後席の背もたれを前側に倒すと、座面も連動して下がり、広く平らな荷室に変更できる。
また後席の座面を持ち上げると、車内の中央に、背の高い荷物を積むことも可能だ。燃料タンクを前席の下に搭載したことで、広い荷室と、ほかの車種とは違う独自のシートアレンジを得られた。
荷室&シートアレンジの2位はエクストレイルだ。荷室は後席を使った状態でも広く、後席を畳むと大容量の空間になる。汚れを落としやすい素材を使うので、アウトドアグッズなども気軽に積める。SUVの用途に適する荷室に造り込んだ。
荷室&シートアレンジの3位はCX-8だ。3列目に加えて2列目の背もたれまで前側に倒すと、平らで荷室長の長い空間に変更できる。前席の後ろ側はすべて荷室になるため、就寝できるほどの空間になる。この広さは全長が4900mmに達するLサイズSUVならではのメリットだ。
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