■国産EVも500万円を切って続々登場
日本車は、三菱i‐MiEVが今年度内に生産をついに終了する。
2代目へモデルチェンジをした日産リーフは、車載バッテリー容量で40kWhと62kWhの選択肢がある。バッテリー容量の少ない40kWhの仕様で332.64万円から、e+(イー・プラス)と呼ばれる62kWh仕様は441.1万円からで、いずれの上級車種も価格は500万円を切っている。
ほかでは、昨年ホンダeが誕生し、今年からマツダMX-30にEVが追加された。ホンダeとMX-30は、価格帯が451万~495万円とまったく同じだ。
この先は、今年日産からSUV(スポーツ多目的車)のアリアが発売予定であり、来年には三菱自とともに一昨年の東京モーターショーで日産が公開した軽EVが発売されそうだ。その価格は、補助金など考慮すると200万円を切るとの話が出ている。
■EV化に先んじた輸入車組は独自の魅力を押し出す
続いて、各車の特徴を紹介していこう。
テスラモデル3の特徴は、先に発売されたモデルSより下の車格とはいえ、製造精度が上がるだけでなく、液晶画面一枚でほとんどほかにスイッチ操作がないにもかかわらず、操作性に優れることだ。直感タッチがごく自然に行える。
また、運転支援装置や、液晶画面内の速度表示、周辺状況の確認などの操作や情報入手に際し、重要度にしたがって強弱がつけられ、クルマを操る運転者の期待にそった手法が採り入れられているところにある。
そこはEVかエンジン車かの区別とは別に、どの車種より一歩抜きん出ていると感じる。未来の姿を、現実にきちんと置き換えて実用化している様子を実感できる。
テスラの充電方法は独自だが、CHAdeMOの急速充電機にも適応できるアダプターを備える。スタンダードレンジプラスの一充電走行距離は448kmだ。
プジョーe208とe2008は、エンジン車と兼用の車体を使っているにもかかわらず、EVらしい仕上がりとなっている。EVかエンジン車か、どちらかに軸足を置くのではなく、クルマとしてきちんと設計され、開発され、製造されていると感じる。EVしか乗らなかった人は、EV専用車だと思うかもしれない。
そしてプジョー伝統の的確な走行性能が作り込まれている点に、運転者としての喜びがある。プジョーe208やe2008に乗ると、エンジン自動車の発明から135年を経た今日、次のEV時代にも、クルマという価値は不変の喜びをもたらすことを知ることができる。
バリュー・フォア・マネーという価格的価値においても、充分に高い魅力を備え、外観や内装のお洒落な造形、色遣いを含め、魅了されるEVだ。
一充電走行距離は、e208が403km(ただしJC08モード値しか公開されていない)、e2008が385km(同じくJC08モード値)であり、WLTCでは20%ほど短くなるのではないか。
BMWi3は、欧州車として先んじてEVの発売にこぎつけた一台だ。EV専用設計であり、カーボンファイバーの車体を新開発するなどして、重いバッテリーを搭載しながら車両重量は1.5トンを切る軽さだ。
タイヤも専用設計されたブリヂストンのオロジックという銘柄であり、タイヤ寸法が一般的なタイヤと異なる。見た目は二輪車用のようだ。それでいて、まったく違和感のない運転感覚である。
室内も、自然素材やリサイクル素材を積極活用し、未来を体感させる。製造時に再生可能エネルギーを積極活用し、脱炭素に貢献している。ドアの開閉は、前後が観音開きとなり、マツダMX-30と同様の手法だ。
シフト操作は、コラムスイッチを回転させる新しい手法を採用している。アクセルペダルによるワンペダル操作も早くから採り入れ、EVらしさや未来感覚を強調した一台といえる。一充電走行距離は360kmである。
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