■岡本幸一郎が選ぶ 今年勝負の2台
●日本市場では鳴かず飛ばず マツダ・MAZDA3
見た目はオシャレなのに走るといろいろいたらない点があって、海外での評価とは裏腹に日本での評判はいまひとつ。
SKYACTIV-Xも価格の高さがネックで売れゆきは伸び悩んでいる。
そこに送り出された改良版がなかなかの力作だ。
走りは大幅に洗練されて、制御が粗削りで速度標識の誤認などバグも見られたADASもずいぶん改良された。このよさをちゃんと周知させることがまず大事。
マツダの頻繁な改良はかえって買い控えを呼んでいる感もなきにしもあらず。
このほど無償アップデートが始まったのは画期的。これで上手くいかないわけがない!?
●マツダ・MAZDA3 過去5年販売実績 ※アクセラ含む
・2016年…2万6342台
・2017年…2万5837台
・2018年…1万7767台
・2019年…2万4667台
・2020年…1万9215台
・2021年…?
●ヤリスに負けてはダメだ ホンダ・フィット
クルマとしての完成度は申し分ないのに、かつての勢いが感じられない。ほのぼのしたデザインもどうやらあまり受けていない感がある。
ホンダセンシングだって、レーダーが廃されたことが指摘されがちだけど、機能としてはずっと従来よりも充実している。
退化ではなく進化したことをちゃんと世に理解してもらわないといけない。
とにかく持ち前の強みである「心地よさ」をもっと正しく知ってもらうことが大事だ。さらには待望の走り系モデルが追加との情報も。
そのあたりもネタにして多くの人に興味を持ってもらって、ぜひ巻き返しを図りたいところだ。
●ホンダ・フィット 過去5年販売実績
・2016年…10万5662台
・2017年…9万7939台
・2018年…9万720台
・2019年…7万4410台
・2020年…9万8210台
・2021年…?
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ピンチはチャンスでもある。各車とも、今年は死に物狂いでがんばってほしい。
【番外コラム】売れ続けると実はヤバい ホンダ・N-BOX
N-BOXは売れ過ぎだ。2020年に国内で新車販売されたホンダ車のうち、32%がN-BOXだった。軽自動車全体なら50%を超える。
そして軽自動車に偏ったホンダの売れ方は、今では10年近く続いているから、ホンダのブランドイメージも変化した。
中高年齢層にはスポーティカーの印象が強いが、若い人たちから見ると小さなクルマのメーカーだ。このままではホンダの儲けはさらに減る。
軽自動車比率が増えることで、今以上の増税も心配される。そうなれば日常の移動を軽自動車に頼る高齢者から、ライフラインを奪ってしまう。
ホンダは小型/普通車に力を入れて、軽自動車比率を30%以下に抑えるべきだ。
(TEXT/渡辺陽一郎)
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