■清水草一が選ぶ今年勝負の2台
●e-POWER一本足打法 日産・ノート
日産得意のe-POWERに絞って勝負に出たノート。先代は年間販売台数1位を奪取するなど、想像をはるかに超える大ブレイクで国内販売を支えただけに、力が入っているし出来もイイ。
つまり真っ当な意味でも今年は勝負なのだが、もうひとつ重要な勝負は「セットオプション42万円のプロパイロット」だ。
この強気の値付けはどこからきたのか? ライバルのヤリスやフィットがACC標準装備なだけに、よほど自信があるのか。はっきり言って高すぎる!
今はまだ発表直後なのでいいけれど、今年後半には失速する可能性が高いと見る。テコ入れはあるのか? とにかく今年が勝負だ。
●日産・ノート過去5年販売実績
・2016年…10万2402台
・2017年…13万8905台
・2018年…13万6324台
・2019年…12万5587台
・2020年…7万2205台
・2021年…?
●大幅値下げでシェア獲得なるか? テスラ・モデル3
テスラは日本市場をあまり重視していない印象だったけれど、そんなこととは無関係に、今回のモデル3の大幅値下げには驚嘆した。
中間グレードのロングレンジAWDでなんと156万円の値下げ!
テスラ・モデル3の値下げは、日本向けの製品が中国工場製に切り替わったことに伴うもので、中国、欧州に続く既定路線のようだけれど、いざ実際に実行されると、衝撃はケタはずれだ。
これでモデル3の売れゆきはどう変化するのか? 爆売れするのか? それともやっぱり保守的な日本市場ではそうでもないのか?
テスラにとっての勝負の年というより、日本という国が試されている気がする。
■渡辺陽一郎が選ぶ 今年勝負の2台
●水素社会実現の鍵を握る トヨタ・MIRAI
MIRAIは今年が勝負だ。水素ステーションの数は、全国で約140カ所に留まる。給油所の3万カ所に比べて大幅に少ない。
従って販売は低調で、先代型の1年間の登録台数は1000台以下だ。これではMIRAIの存在感は次第に薄れる。販売促進ではなく認知向上のために、イベントなどを行いたい。
カーオーディオのマニアも重要な顧客だ。新型MIRAIの車内は抜群に静かだから、音響性能をさらに高めた特別仕様車を設定する。
ZにはJBLプレミアムサウンドシステムが用意されるので、制振材や吸音材も加えて、最良のオーディオ空間に仕上げたモデルを発売したい。
●トヨタ・MIRAI 過去5年販売実績
・2016年…950台
・2017年…766台
・2018年…575台
・2019年…694台
・2020年…717台
・2021年…?
●すっかり影が薄くなった ホンダ・ステップワゴン
ステップワゴンは存続の危機にある。2020年の登録台数は1カ月平均で2870台だから、ライバル車となるセレナやヴォクシーの半数だ。
また1996年登場の初代ステップワゴンや2001年の2代目は、発売直後に1カ月で約9100台を登録した。今は当時の約30%だ。
ミニバンは日本向けの商品だから、低迷が続くと車種の廃止もあり得る。
ステップワゴンのハイブリッドは価格が340万円以上と高いから、今後は1.5Lターボに力を入れる。SUV風のクロスターを加えて、標準ボディのGと同等の270万円前後で発売する。
スパーダにも同価格のグレードを用意して、出費にシビアな奥様層に直接訴求してはどうか。
●ホンダ・ステップワゴン 過去5年販売実績
・2016年…5万2472台
・2017年…4万6457台
・2018年…5万6872台
・2019年…5万2676台
・2020年…3万4441台
・2021年…?
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