春から新生活をするにあたってクルマを買いたい! この季節、そんな人も多いのではないでしょうか。そして初めてのクルマでも新車から選びたい! という人もいることでしょう。
そんなカーライフのフレッシャーズさんにとって、初めての新車を選ぶ時のポイントとは? クルマ選びではどんな点に気をつけるといいのか? 新車ディーラーへ行った時に注意したいポイントとは?
さらに、この春からカーライフを始める人にお薦めの新車5モデルについても、カーライフジャーナリストの渡辺陽一郎氏がガイドします。
文/渡辺陽一郎 写真/TOYOTA、HONDA、ベストカー編集部
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■使い方と予算に合った車種を見つけるのが基本
新年度を迎えて生活が変わり、新車の購入を考えているフレッシャーズの皆さんも多いでしょう。そこで初めて新車を買う時の選び方や注意点について考えてみます。
クルマ選びの基本は、ご自分の使い方と予算に合った車種を見つけることです。この点はフレッシャーズからベテランまで、変わりありません。
使い方は、メモに羅列するといいでしょう。乗車人数、荷物を積むか否か、街中の移動が中心か長距離ドライブに出かけるのか、スポーティな運転を楽しみたいのか、さらにクルマに対する好みまで、いろいろな条件を加えます。
次は予算を設定しましょう。残価設定ローンなどもあり、少ない予算で高価格なクルマに乗ることも可能ですが、ローンは借金です。金利が掛かり、自分の過失で事故を発生させると、愛車を失って債務が残ることもあります。
特にフレッシャーズの皆さんは、預金にも限りがあるでしょうから、価格の高いクルマは避けたいです。
使い方と予算からクルマの概要がわかったら、メーカーのホームページにアクセスしましょう。「ラインナップ」とか「カーラインナップ」というページがあり、そこを見ると取り扱い車種が並んでいます。カテゴリー別に区分されていることもあります。その概要は以下のとおりです。
■乗用車のカテゴリー解説
●軽自動車:全長が3395mm、全幅は1475mm、エンジン排気量は660cc弱と小さいですが、税金も安いです(人気車:N-BOX、スペーシアなど)
●コンパクトカー:全長が4000mm前後の5ナンバーサイズに収まる5ドアハッチバックで、エンジンは排気量1.0~1.5Lのものがメインです(人気車:ヤリス、ノート、フィットなど)
●ミドルサイズハッチバック:外観はコンパクトカーに似ていますが、走行性能や乗り心地を向上させた3ナンバー車です(人気車:マツダ3、インプレッサスポーツなど)
●ミニバン:背の高いボディを備えた3列シート車で、3列目のシートを畳むと自転車などの大きな荷物も積めます(人気車:ヴォクシー、セレナ、アルファードなど)
●SUV:最初は悪路を走るクルマとして開発されました。そのために大径タイヤの装着などによって外観がカッコよく、車内も広くて実用的なので、人気のカテゴリーになりました(人気車:ヤリスクロス、ライズ、ハリアーなど)
●セダン:居住空間の後部に独立したトランクスペース(荷物室)があります。低重心でボディ剛性も高く、走行性能と乗り心地を高めやすいカテゴリーです(人気車:カローラセダン、インプレッサG4、クラウンなど)
●ステーションワゴン:天井の高さはセダンに近いですが、トランクスペースの部分まで居住空間に取り込み、ボディの後端にはリアゲートを装着しています。荷物の出し入れがしやすいです(人気車:レヴォーグ、カローラツーリングなど)。
●スポーツカー:外観のカッコよさと高性能な走りを追求したカテゴリーです。基本的に後席のドアは装着されません。後席のない2人乗りもあり、趣味性が最も強いです(人気車:86、BRZ、ロードスターなど)
ホームページのカーラインナップや各車種のガイドを参考に、まずはご自分の使い方や好み、予算に合ったカテゴリーを決めます。街中の移動が多く、時々高速道路も走るからコンパクトカーを選ぶとか、外観がカッコイイから少し小さなSUVに乗りたい、という具合です。
■カテゴリーを決めたら候補車種を選ぶ
カテゴリーが決まったら、次は購入の候補車種を決めます。コンパクトカーであれば、ヤリス、ノート、フィットという具合です。候補車種の内容を改めてチェックして、予算に合ったグレードやオプション装備などを決めます。
ホームページ上では、簡易な見積りの計算もできるので、購入時に納める税金や自賠責保険料(任意保険料は除く)を含めた購入予算がわかります。
なおグレードを選ぶ時は、安全装備をなるべく充実させたいです。衝突被害軽減ブレーキは標準装着される車種が多いですが、サイド&カーテンエアバッグは、オプションの場合もあるので注意しましょう。
コンパクトカーなどでは、実用装備を過不足なく充実させた中級グレードをお買い得なモデルにしていることが多いです。
■候補車種を決めたらいよいよ販売店へ
この後は販売店に出かけます。まず車両のカタログ、ディーラーオプションカタログ(アクセサリーカタログ)、価格表を入手します。カタログには、ホームページよりも詳しい情報が掲載されていることもあるからです。
次は自宅で決めたグレードやオプション装備について、改めて見積書を入手します。ホームページ上の計算は簡易なものなので、印刷された見積書を作製してもらいます。
そして試乗をします。街中を15~20分走るだけですが、得られる情報は多いです。駐車場から路上に出る時の段差では乗り心地、道路に出て加速する時は速度の上昇感覚と速度調節のしやすさ、交差点を曲がる時には操舵に対する車両の反応などを確認します。
試乗を終えたら、運転した感想をメモしておきましょう。週末を使って集中的に候補車種を試乗すると、各車種の違いがよくわかります。
可能であれば、購入の候補車種のレンタカーを借りてドライブに出かけたいです。1日運転すると、クルマの良し悪しも正確に把握できます。ファミリーで使うなら、家族みんなで試乗して、後席の乗り心地などを確認してもらうといいでしょう。
特に最近は、新車の販売店がレンタカーの貸し出しを行っている場合があります。試乗車を兼ねていることもあり、新車がそろっています。料金は掛かりますが、間違いのないクルマ選びができるので、販売店で相談してみましょう。
以上のような作業を行うと、膨大な新車のなかから、ご自分に合ったクルマを見つけられます。
フレッシャーズの皆さんがクルマを選ぶコツは、まずコンパクトで運転のしやすい、クセの強くない車種を探すことです。試乗した時は、車庫入れや縦列駐車も行って、後方視界なども確認してください。
価格や維持費も、使い方に合った範囲内で安い車種にしましょう。そこで以下の5車種を推奨しておきます。
■フレッシャーズのみなさんへのお薦め5車種
●軽自動車:ホンダ N-WGN・Lホンダセンシング(136万4000円)
軽自動車ではN-BOXの人気が高いですが、視界の優れたボディによる運転のしやすさ、走行性能、実用燃費、価格の割安感を考えると、N-WGNの推奨度が高いです。居住性も快適で荷室も使いやすく、N-WGNで充分です。N-WGNに不満を感じたら、N-BOXを検討しましょう。ほかの車種ではワゴンRやデイズも推奨できます。
●コンパクトカー:ホンダ フィット1.3ホーム(171万8200円)
フィットは全長が4m以下のコンパクトカーですが、後席や荷室が広いです。視界がいいので運転しやすく、価格は割安です。ほかの車種では、ヤリス、ノート、スイフトも推奨できます。
●ミニバン:トヨタ シエンタ1.5G(209万8000円)
多人数で長距離を移動する機会が多い場合、ヴォクシーやセレナなどミドルサイズ以上になりますが、価格も高いです。フレッシャーズの皆さんに推奨できるミニバンは、運転しやすく価格を抑えたコンパクトな車種です。シエンタは割安で運転しやすく、走行安定性もいいです。ほかの車種ではフリードも推奨できます。
●SUV:トヨタ ライズ1.0G(189万5000円)
SUVには海外で積極的に販売する車種も多く、ボディは大半が3ナンバーサイズです。しかし街中では運転しにくく価格も高いので、コンパクトなライズを推奨します。コンパクトカーの感覚で運転ができて、後席の居住性も悪くないです。ほかの車種では、ヤリスクロス、ヴェゼル、キックスなども推奨できます。
●ステーションワゴン:トヨタ カローラツーリング1.8S(221万6500円)
今はワゴンの車種数が大幅に減りました。設計の新しい車種はすべて3ナンバー車です。そのなかで推奨できるのはカローラツーリング。3ナンバー車ですが、ワゴンではコンパクトな部類に入り、運転がしやすくて価格も割安です。ほかの車種では、設計は古いですが、シャトルは扱いやすい5ナンバー車です。





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