走っている時こそ、愛車への労りを
言うまでもなく、走っている時こそ愛車への労わりが重要です。「急」が付く動作(発進、加速、減速、ハンドル)、いわゆる「雑な運転」は燃費の悪化だけでなく、ブレーキやタイヤの無駄な消耗、足回りやブッシュ等への負担増、最悪の場合は事故に至るなど悪いことだらけ。
先々の交通状況を見越したゆとりある運転をするだけでクルマへの負担を減らし、燃料やブレーキなど無駄な消耗も抑えられます。急なギア操作もシフトミスを招いたり、オートマチックでも内部損傷の原因になりかねません。
話は逸れますが、タイヤ同様、つねに正しいドライビング・ポジションで運転することも基本中の基本です。イザと言う時、緊急回避できなければ、クルマを長持ちさせるどころか、壊すだけです。
路面の凸凹を見逃さない
安全を最優先したうえでの話ですが、路面の凸凹を避けて走ることで足回りなどへの負担を減らせます。
万が一、凸凹にタイヤを乗り上げたり落としたりすると、最悪の場合、サスペンションやサブフレームなどを損傷し、アライメントが狂ってまっすぐ走らない、タイヤが偏摩耗するといった実害を被ります。
歩道に乗り上げる際の段差やキャッツアイも十分に注意しましょう。
車止めでクルマを止めない
みなさん、コンビニやスーパー、青空駐車場にクルマを停める時、当然のようにクルマ止めまで、タイヤが当たるようにとガツンと停めていませんか。
前向き駐車でも後ろ向き駐車でも、車止めにタイヤをぶつけて停めたり、グイグイ押し付けて停めるのはタイヤにも足回りにも決して良いことではありません。
そっとならまだしも勢いよくガツンと停め、それを長年積み重ねていくと……、まるで自分の足のかかとをぶつけているようで、想像しただけでもクルマが可哀そうです。
今後は車両感覚を養うつもりで(できればボディの先端が)車止めの手前ギリギリで停められるよう実践しましょう。
停車状態でハンドル操作しない
パワステ本来の目的に反しますが、操舵系への負担を考えると、ハンドルを操作する時は、少しでもクルマが動いているほうが望ましいと言えます。いわゆる停車状態の据え切りです。この何気なくやってしまう行為もクルマの劣化を早める行為です。
例えば、重量1トンのコンパクトカーの場合でも、フロント1輪には約250kgの重みがかかっています。アスファルトか、砂利道か、地面の種類でダメージの大きさは変わってきますが、停止状態でハンドルをグリグリ切ればタイロッドエンドのガタを誘発したり、アームがしなるなどフロントサスペンションにまで負担がかかってきます。この足回りへの負担は、近年主流となっている電動パワーステアリングにもいえることです。
もちろん、メーカーはハンドルの据え切り対策をしていますが、新車といえども、据え切りの積み重ねはクルマによくはないことが明白ですので、労わる気持ちを忘れずにお願いしたいと思います。
クルマから発せられる兆候を見逃すな!
クルマが教えてくれる情報もたくさんあります。エンジン系、トランスミッションからデフまでの駆動系、ステアリング機構を中心にした操舵系、前後の足回り、電装系など、それぞれが発する異音や振動はクルマからのSOSだったりするので注意が必要です。
こうした「音・振」への経験が深まると「フロント左側のベアリングかな」、「右リアのブレーキかな」といった具合に判断できるようになります。
もっと経験を重ねると「(この音・振は)これ以上運転したらヤバイな」、「スピード落とそう」「(高速で)左車線を走ろう」など、故障を察知したり、事故を未然に防げるようにもなるので積極的に愛車と対話して経験を積みましょう。
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