■車種構成再構築の三菱と軽が主軸のスズキ、ダイハツは?
●三菱
今はOEM車を除くと車種が大幅に減った。車種構成を再構築している最中でもあり、改良も滞りがちだ。それでも三菱の登録車で登録台数の最も多いデリカD:5は、1~2年に一度は改良を行って特別仕様車も頻繁に設定する。
逆にRVRやミラージュは滞りがちだ。今は三菱車の売れ行きが全般的に下がったから、商品改良によって販売面で効果の得られる車種も限られる。改良のために投資できるのは、デリカD:5、エクリプスクロスといった一部の売れ筋車種になるわけだ。アウトランダーはフルモデルチェンジが近付いた。
●スズキ
軽自動車が中心のメーカーとされるが、2021年1~3月に国内で販売されたスズキ車のうち、20%近くを登録車が占めた。軽自動車需要の先行きがわかりにくいこともあり、今のスズキは登録車にも力を入れる。
登録車の商品改良は車種により差がある。エスクードは2年に一度の割合で改良をおこない、スイフトも特別仕様車を定期的に設定するが、イグニスはあまりテコ入れされない。バレーノはほとんど手を付けられずに日本の販売を終えた。
一方、軽自動車は、ジムニーや商用車を除くとエンジンやプラットフォームが基本的に共通だから、改良もおこないやすい。
しかも薄利多売の商品だから、売れ行きが下がると成立しない。設計が最も古い車種でも、2014年に登場したアルトで、2021年にはフルモデルチェンジされる見込みだ。テコ入れも頻繁におこなわれ、最近は安全装備を充実させて、特別仕様車の追加も頻繁に行う。
●ダイハツ
最近はスズキと同様に小型車にも力を入れるが、それでも2021年の販売比率は8%だから、軽自動車が圧倒的に多い。設計が最も古い軽自動車は2014年に登場したムーヴで、2021年には刷新される。極端に設計の古い不人気車はなく、テコ入れは相応におこなわれている。
スズキと同様、特別仕様車を頻繁に投入して、売れ行きに弾みを付ける。特別仕様車は、価格の割安感をアピールしやすいため、軽自動車やコンパクトカーのテコ入れ方法としては特に優れた効果を期待できる。
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