国内自動車メーカー2020年度決算発表!! コロナ禍の国内市場を読み解く


■勝ち組/スズキ:純利益は1464億円、+9.1%の増益

2020年度の販売台数は19万7900台で1位のN-BOXに次いで、2位14万5319台となるスズキスペーシア
新型ソリオが絶好調。2021年4月の販売台数は4966台で前年同月比105.8%増と2倍以上に急増し、登録車で初のベスト10入りを果たした

 スズキの2020年度決算期の純利益は1464億円で、+9.1%の増益、販売台数は257万1000台だ。後者の数字は前年度に比べて9.8%減った。地域別に販売台数の対前年度比を見ると、インドは甚大なコロナ禍の影響もあって7.8%減り、海外販売全体では11.7%落ち込んだ。インドでは今も深刻な状況が続いている。

 過去を振り返ると5年前の2015年度の販売台数は286万1000台だったから、2020年度は29万台(比率に換算すると10%)減った。

 国内販売は軽自動車の落ち込みが前年度に比べて2.7%と小さく抑えている。そのために従来のスズキの国内販売比率は20%前後だったが、2020年度は25%に上昇した。海外が下がったため、相対的に国内比率が増した。

相変わらずジムニーの納期は約1年と変わらない人気ぶりだ

 ジムニーの納期は相変わらず約1年と長いが、届け出台数は、直近の2021年1~4月の平均で見ると1ヵ月当たり4314台だ。発売直後は生産規模が小さく、1800~2000台で推移したから、今のジムニーの生産と届け出台数は2倍以上に増えた。

 コロナ禍は世界的な不幸で不謹慎なことはいえないが、最近になってスズキの国内比率が高まった。そのために生産や開発も、以前に比べると日本を向いている。そのために2020年と2020年度におけるスズキの国内販売順位は、ホンダを抜いてトヨタに次ぐ2位となった。

■負け組/日産:3年連続の赤字 純利益はマイナス4486億円

2020年12月23日に発売開始した日産新型ノート。2021年4月の販売台数は5711台で7位

 2020年度における日産の純利益は4486億円の赤字であった。販売台数は405万2000台で、前年度に比べて17.8%減少している。営業利益も1506億円の赤字だ。

 販売台数を地域別に見ると、中国は前年度に比べて13.7%増えたが、そのほかは北米が25.1%、欧州は24.8%という具合にマイナスが目立つ。

 日本国内は小型/普通車は18.1%減ったが、軽自動車がルークスのフルモデルチェンジなどによって1.3%増えており、合計すると10.6%の減少に留まった。

 それでも2020年度における日産の国内販売順位は、トヨタ/スズキ/ホンダ/ダイハツに次ぐ5位だから、日産の販売総数に占める国内比率も11%と少ない。日産車の約90%は海外で売られる。

 そうなると国内販売が堅調でも、日産全体に与えるプラスの効果は小さい。日産は赤字の原因として、コロナ禍、半導体の供給不足、為替変動を挙げている。為替リスクは常に考えられるが、コロナ禍は未曾有の出来事だった。

 このような突発事態への対応力、マイナス要因の吸収力において、トヨタとの違いが明らかになった。

 日産は過去を振り返ると、第二次世界大戦前から乗用車の生産と販売を軌道に乗せていた。1960年代前半までは、トヨタと同等以上の生産規模を誇っている。この後は労組関係なども災いして、次第に経営を悪化させたが、商品開発では電気自動車に着手するタイミングが早かった。

 2010年には世界初の量産電気自動車として、初代(先代)リーフを発売している。

ピュアEVのSUV、アリアは今夏に発売予定

 これからはアリアなどの電気自動車が登場するが、10年以上にわたる実績をいかに今後の電気自動車の開発に役立てられるかが注目される。

 2020年の世界販売台数ランキングで、日産+三菱+ルノーグループは、トヨタグループ、フォルクスワーゲングループに続く3位であった。電動化の時代に、日産が三菱/ルノーと組んで強い技術力を発揮できる余地は十分にある。それを商品開発と販売実績に結び付ける経営手腕が問われている。

次期エクストレイルは、2021年秋の投入予定でスケジュール調整が行われている

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