国内自動車メーカー2020年度決算発表!! コロナ禍の国内市場を読み解く


■負け組/スバル:純利器は765億円、純利益マイナス49.9%

レヴォーグの販売台数2021年1月4682台(14位)、2月3677台(20位)、3月4892台(19位)、4月1912台(24位)と台数は減ってきているが部品供給の遅れが原因と思われる

 純利益は765億円で、前年度に比べて49.9%減少した。販売台数は86万台で、前年度に比べて16.8%減っている。ちなみに2015年度は96万台だったから、近年では売れ行きが約10%下がった。

 スバルは水平対向エンジン、シンメトリカルAWD(4WD)といった独自の技術を備えて、運転の楽しさを追求している。

 しかもスバル車は、アイサイトの採用など、安全を優先させたうえで運転の楽しさを追求することも特徴だ。この安全優先の思想は、例えばスバルBRZとトヨタ86の姉妹車を乗り比べた時にも感じられ、ユーザーの共感を得ている。

 しかしこれはそのまま、電動化の時代を迎える将来の不安な要素にもなる。現時点で水平対向エンジンに組み合わせるハイブリッドシステムのe-BOXERは実用化されたが、メカニズムがシンプルな代わりに燃費は良くない。

 例えばフォレスターの場合、e-BOXERのWLTCモード燃費は14km/Lで、3Lエンジン並みの動力性能を発揮する1.8Lターボのスポーツは13.6km/Lだ。ターボと比べて0.4km/Lしか違わず、郊外モードの数値はターボの方が優れている。

 直近、2021年はこれから夏頃に新型BRZ、9月頃にアウトバック、10月頃に新型WRX S4、レヴォーグの2.4Lモデルがデビュー予定と、新ラッシュが続くので好転する要素もある。

 今後のスバルの電動化への対応は未知数で、スバル車の良さをいかに表現するかも分からない。スバルに限らず、エンジンの回転感覚などが魅力となるメーカーやブランドは、これから試練を迎える。

 「電気自動車になった今でも、やっぱりスバル車は違うよね」と思わせる技術力、表現力が問われる。クルマ好きにとって、一番応援したくなるメーカーがスバルかもしれない。

新型BRZのデビューは2021年夏頃を予定。GR86は今秋頃
アウトバックは秋、9月頃の予定で、日本仕様はレヴォーグとフォレスターに積んでいる1.8Lターボのみのラインナップとなり、アイサイトXを搭載する
2021年10月に登場予定の新型WRX S4(予想CGイラストはベストカーが製作したもの)

■負け組/マツダ:純利益はマイナス316億円になるも従来予想の500億円を下回る

2021年2月から年次改良を受けてMAZDA3とCX-30のe-スカイアクティブX搭載車のオーナー向けに無償アップデートが実施された

 マツダの純利益は316億円の赤字で、販売台数は128万7000台であった。2015年度の販売台数は153万4000台だったから、5年前に比べて16%ほど減少している。

 マツダの商品開発では、各国共通の車種が多く、CX-5、CX-8、マツダ3などがその代表だ。これらの車種は魂動デザインで仕上げられ、各車種とも持ち味を共通化することで、マツダ車の特徴を分かりやすく訴求している。

 ただし、その一方で商品開発が硬直化している印象もあり、国内での売れ行きは、コロナ禍の前から伸び悩み傾向をみせていた。

 そこでマツダ車に新しい流れを築くべく企画されたのがMX-30だ。ハイブリッドと電気自動車のパワートレーンも新しいが、MX-30の柔和な内外装は、スポーツ路線の従来型とは区分され、今後のマツダ車で新しいシリーズを構築する。

 マツダの今後はその成果と、トヨタとの業務提携に掛かっているのは明白だが、最も気になるには新しい直6エンジン+FR車だろう。

ベストカーが製作した次期マツダ6の予想CGイラスト。直6エンジンはモジュラー化開発により、おそらくは1気筒あたり499.25cc、総排気量2996ccになるだろう。フロントに縦置きされ後輪を駆動するプラットフォームも同時に新開発

 マツダは、2019年5月9日の決算報告会見の場で、今後の商品開発の展開として、直6エンジン、FRプラットフォームを正式に発表した。このなかで「Largeアーキテクチャー=Dセグメントを想定したラージプラットフォーム」は縦置きエンジン後輪駆動(FR)で開発することを示唆している。

 エンジンは、SPCCI(火花点火制御圧縮着火)を採用した新開発の直6スカイアクティブXを搭載。さらに48V電装システムを使ったマイルドハイブリッドを用意し、プラグインハイブリッドへの展開も視野に入れている。

 そして2020年11月9日に発表された「マツダの中期経営計画見直し」のなかで、初めて縦置き直6エンジン/縦置き直4エンジンとプラグインハイブリッド、マルチ電動化技術の写真を公表した。

 つまり、上記に挙げた現在開発中のクルマはズバリ、マツダ6(旧アテンザ)後継車となるのは明白だ。この直6エンジン、排気量は3Lになるというのが周知の事実で、現在マツダ3とCX-30に搭載されているSPCCI(火花点火制御圧縮着火)の直4、2L、スカイアクティブXに2気筒をプラスするものとなる。

 これにスーパーチャージャーを加えた48Vのマイルドハイブリッド(直4、2Lは24V)となり、最高出力は300ps、最大トルクは35.0kgmを超えるスペックになると予想される。

 この新型マツダ6は2022年3月頃のデビューが濃厚。これと前後して、次期CX-5のデビューも待たれる。

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