■日本のヤリスクロスとは別物/ヤリスLクロスオーバー
中国で販売されているのがヤリスL、そのクロスオーバーモデルとして登場したのがヤリスLクロスオーバーだ。日本のヤリスクロスとは全く別物のクルマである。
日本のヤリスクロスは、どうしてもヤリスと似た感じを受けず、全く別のクルマというイメージがあるのは筆者だけだろうか。もちろんヤリスクロスは人気だが、もう少しヤリスっぽさを残した、乗用車ライクなクロスオーバーがほしいところだ。腰高なRV味の強いSUVが苦手な方に、是非このクルマを勧めたい。
■フランス風味のトヨタ最小コンパクト/アイゴ
ヴィッツ(ヤリス)よりも小さなトヨタ車がアイゴだ。初代は合弁会社トヨタ・シトロエン・プジョー・オートモービル(現在はトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコとして、合弁を解消)で生産され、トヨタ主導で開発された。トヨタがシトロエンとプジョーにOEM提供したクルマでもある。
全長3415mm×全幅1615mm×全高1465mmと、全幅を除けばほとんど軽自動車サイズ、そこにフランスの風を感じる個性的なボディが乗る。
保守的なデザインの多いAセグメントハッチバックの中で、日本車にはない、アクの強いエクステリアデザインは、2021年の今なら、日本でも受け入れられそうだ。
特に若年層へ向けて、見た目が映えるクルマとして人気が出そうなアイゴ。小さなクルマはダイハツにお任せのトヨタだが、ちょっとおしゃれなアイゴを導入したら、コンパクトカーの潮目が変わるかもしれない。
■CX-8に近い3列シートSUV/ハイランダー
クルーガーというクルマを覚えているだろうか。2000年に登場し、2007年、後継をヴァンガードに譲り1代限りで幕を閉じたクルマだ。このクルマはハイランダーと名前を変え、現在も海外で販売されている。
全長4854mm×全幅1925mm×全高1730mmのボディに、3列シートを搭載する。マツダのCX-8のようなパッケージングだ。
3列シートSUVの選択肢が、国内にもないわけではないが、ランクルやプラド、レクサス LXやRXなど、高級SUVが多い。比較的手が出しやすい価格帯の3列シートSUVが、日本でも増えてほしいと思う。
ハイランダーの北米価格は約400万円前後である。アルファードの中間グレードを購入するような感覚で選べれば、ミニバンユーザーの取り込みもできるはずだ。車種整理が進み、3列シート車が減った国内トヨタで、ハイランダーは人気の出るクルマになると思う。
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海外専売モデルには、日本では使いにくく、好みづらいデザインのクルマも多い。ただ、日常生活の中でもグローバル化は進んでいる。クルマの異質感にも慣れていきたいところだ。
日本にいながら、世界の潮流に触れたクルマを選び、乗ることができるのは、一つの幸せだと筆者は思う。日本のトヨタだけでなく、世界のトヨタに触れる機会を、もっと多く作っていってほしい。
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