ハザードとスタータースイッチの位置がバラバラ、なぜ統一されないの?

スタートスイッチは演出が重要に

 スタートスイッチは、運転開始と終了時に必ず操作する「一軍」であり、レイアウトの優先度は非常に高いスイッチだ。

 かつて、キーを差し込んで回転させてエンジンをかけていた時代は、日本人の約9割が利き手である右手で操作できるように、ハンドルの右側に位置していたが、昨今のプッシュスイッチでは力を入れる必要はないため、右手側でも左手側でもよくなった(どうでもいいことだが、筆者は左利き。しかし最初から「クルマは右手でエンジンをかけるもの」として覚えたので、筆者はとくに使いづらさを感じたことはない)。

 しかしながら、最近はハンドルの左側にあるクルマが多くなったように思う。左手でプッシュスイッチを押してエンジンをかけた後、そのまま左手でシフトレバー操作してドライブレンジに入れ、サイドブレーキを解除、といったすべての操作を「左手のみ」で操作できるようにする、という考えがあるようだ。

 いちいち右手と左手を使い分けなくてもよいので、ストレスも少なく、また速やかに発進できるというメリットもあるだろう。

キーを回していた頃とは違い、スイッチになったことで、右側でも左側でも、どこに配置されても操作上はとくに問題はなくなった(PHOTO:Adobe Stock_ Natee Meepian)
キーを回していた頃とは違い、スイッチになったことで、右側でも左側でも、どこに配置されても操作上はとくに問題はなくなった(PHOTO:Adobe Stock_ Natee Meepian)

 また、エンジン始動をひとつの「イベント」として演出するクルマが多くなった。スタートスイッチをあえて目立つようなところに置き、押すと同時にメーター内にオープニングアクションが映し出され、光や音とともに演出されるなど、スタートスイッチには、ドライビングの雰囲気を持ち上げてくれる、人気のアイテムだったりもする。

 ちなみに、この手の演出と言えば、やはりスポーツカーは外せない。例えばフェラーリ812GTSは、スタートスイッチをステアリングホイールの上にレイアウトしてレーシーな雰囲気を演出していたり、ランボルギーニはスタートスイッチをセンターコンソール上の赤いカバーの下に隠し、「秘密のスイッチ」な感じを出している。心躍るかどうかはその人次第だが、好きな人には堪らない演出だろう。

ステアリングホイール上左側にある赤の円形がスタートスイッチ。非常にシンプルな造形だがレーシーな雰囲気がある。右側にあるセレクタスイッチはモード切り替え用
ステアリングホイール上左側にある赤の円形がスタートスイッチ。非常にシンプルな造形だがレーシーな雰囲気がある。右側にあるセレクタスイッチはモード切り替え用
ランボルギーニ・ウルスのスタートスイッチ。赤いキャップを開けた下に、スタートスイッチがある。左側はドライブモードセレクタ、右側はエンジンやサスペンション特性を調整するスイッチ
ランボルギーニ・ウルスのスタートスイッチ。赤いキャップを開けた下に、スタートスイッチがある。左側はドライブモードセレクタ、右側はエンジンやサスペンション特性を調整するスイッチ

同じ場所にあったとしても、見つけづらい可能性も

 スタートスイッチもハザードランプスイッチも、運転中に何度も繰り返し使うスイッチではない。だが、とっさに位置が分からないと、困ることが多いスイッチでもある。

 スタートスイッチを使うのは始動前なので、落ち着いて探せるが、ハザードランプスイッチは緊急時に使うこともある。できれば、どのクルマでも統一してほしいところだが、同じ場所にレイアウトされていたところで、車内の他のレイアウトが違っているなど雰囲気が違えば、見つけづらいこともあるだろう。

 ジャパンタクシーのハザードランプスイッチは、ステアリング上にある。これほど目立ちやすいとさすがにカッコ悪いが、今後も誰でも分かる位置にレイアウトしておくことは必要だ。

トヨタのジャパンタクシーは、ステアリングの右側にハザードランプスイッチが付いている。お客様の乗り降りの際などで頻繁に使用するスイッチを、ステアリングから手を離さずに操作ができる
トヨタのジャパンタクシーは、ステアリングの右側にハザードランプスイッチが付いている。お客様の乗り降りの際などで頻繁に使用するスイッチを、ステアリングから手を離さずに操作ができる

 ユーザーとしては、レンタカーなど乗りなれないクルマを運転する際は、念のためハザードランプスイッチの位置を確認してから、出発するようにしたいところだ。

【画像ギャラリー】いま国内で売れているクルマたちのスタートスイッチとハザードランプスイッチ

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