RX-8 ランティス…“今こそ絶賛したいマツダ車”の大胆な挑戦と魅力 5選

RX-8 ランティス…“今こそ絶賛したいマツダ車”の大胆な挑戦と魅力 5選

 2020年1月30日に創立100周年を迎えたマツダの真骨頂といえば、世界一を目指すスピリットと常識を覆す技術革新。そのプロダクトのなかには成功を収めたモデルがあるいっぽうで、不遇な境遇を強いられたモデルも存在する。しかし、後者をあらためて振り返ると「なぜ人気が出なかったのか?」と思わずにはいられない魅力があるから不思議。ここに登場する5モデルもまたしかり。“今だからこそ絶賛したいマツダ車”はこの中に!?

文/FK、写真/マツダ

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アクセラとMAZDA3の誕生の裏に「ランティス」の存在アリ!?

トライ&エラーこそがマツダの魅力! 今だからこそ絶賛したい、あのクルマ
気持ち良く吹け上るエンジンが魅力だったランティス。見た目はファミリーカーだったが、ライトウェイトスポーツ感覚で走りが楽しめるクルマだった

 躍動感あるフォルムとゆとりの居住空間を両立したうえで、優れたシャシー性能と高い安全性能を追求したランティスは1993年9月に登場。エンジンには1800ccの直4と2000ccのV6、トランスミッションには5MTと電子制御4ATが設定された。ボディは5ドアハッチバックと4ドアセダンの2種類で、1994年に開幕した全日本ツーリングカー選手権に5ドアハッチバックで参戦も果たしている。

 同年8月には全国限定150台の「マツダスピードバージョン クーペTypeR」なる異端モデルも発売。ルーフから後端へまっすぐ伸びた巨大なリアウイングが強烈な個性を発揮した。1996年1月に施行された新衝突安全基準適合車の第1号に認定されたことを受け、衝突試験後のテスト車で安全性をアピールするCMも放映される。

 しかし、実用性よりもスタイリングや走行性能を優先したことがファミリー層に受け入れられず、1997年5月に販売終了。とはいえ、マツダ公式WEBサイトで行われた創立100周年記念の歴代モデル人気投票では2位に60万票以上の差をつけて1位を獲得。この結果からも、今だからこそ絶賛したいマツダ車の筆頭であることはもはや疑う余地がない。

トライ&エラーこそがマツダの魅力! 今だからこそ絶賛したい、あのクルマ
創立100周年記念の歴代モデル人気投票では1位を獲得。得票数は103万2072票と、42万4643票を獲得した2位のオートザムAZ-1に圧倒的な票差をつけてのトップ!

クロスオーバーSUVの代名詞“CXシリーズ”の先陣を切った「CX-7」

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クロスオーバーというカテゴリーの先駆ともいえるCX-7。クロカンとSUVの長所を併せ持ったクルマとして注目を集めた

 CX-3、CX-5、CX-8、CX-30と充実の一途を辿るCXシリーズ。その最初のモデルとして2006年12月に発売されたCX-7は都会的で洗練されたスタイリングと、最高出力238psを発生する2260cc直噴ターボエンジン&電子制御6ATのアクティブマチックによる力強い走行性能を高次元で両立。

 ユーザーの視点に立った装備を積極採用したことも特長で、横滑り防止装置、駐車支援システム、イモビライザーやバーグラアラームなどの盗難防止装置、30GBのHDDナビゲーション、クルーズコントロールを全車に標準装備して安全性と利便性の確保も抜かりなし。

 アドバンスト・フロンティア(新ジャンルの開拓)をデザインコンセプトとして登場したCX-7の“目にした瞬間に乗りたい、運転したい”と感じさせる美しくて力強いスポーツカー然としたスタイリングは、現在のCXシリーズにも受け継がれている。

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オートサロンでは、カロッツェリアがコンセプトモデルとして「CX-7 AUDIO MANIA」(オーディオマニア)を展示。話題に事欠かないモデルだった

マツダが手がけた最後のミニバン「プレマシー」

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ファミリアをベースにしたミニバンとして登場したプレマシー。コンパクトなボディながら3列シートで7人乗車が可能な高効率パッケージが人気となった

 若者のクルマ離れが社会現象になりつつあった1999年4月に発売されたプレマシー。同年6月には2代目MPVも発売され、競合ひしめくミニバン市場においてマツダは存在感を発揮していった。

 そんな状況のなか、5ナンバーサイズで登場した初代プレマシーは2代目で3ナンバーボディへとフルモデルチェンジ。2010年7月の3代目が登場する頃にはグローバルでの累計生産台数が83万台を超え、マツダを代表するミニバンとして確固たる地位を確立。

 NAGARE(流れ)造形による斬新なデザイン、個性を磨き上げたパッケージと機能性、サステイナブル社会の実現に向けた優れた環境性能などをテーマに掲げた3代目も評価は高かったが、2016年2月に発表されたミニバン市場からの撤退を受け、19年間もの長きに渡って愛された“マツダ最後のミニバン”は2018年2月に生産が終了となった。

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2代目以降は3ナンバーとなりスペースユーティリティがさらに向上。このモデルを最後にミニバンからSUVやステーションワゴンに注力することになった

ミニバンの世界に新風を吹き込んだ個性派「ビアンテ」

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個性的なフォルムで根強いファンが多いビアンテ。ミニバン嫌いにも受け入れられた貴重なモデル。マツダのミニバン市場からの撤退とともに姿を消した

 ビアンテはクラス最長の室内長と室内幅を確保するとともに、クラス最大の広さを実現した中型のトールタイプミニバンとして2008年7月に登場。走りの面でも優れた環境・燃費性能と力強さを両立した2000cc直噴自然吸気エンジンと電子制御5速ATの組み合わせが低速域で鋭い加速性能を発揮した。

 2013年5月のマイナーチェンジで2WD車に高効率直噴ガソリンエンジンのSKYACTIV-G 2.0と高効率オートマチックトランスミッションのSKYACTIV-DRIVEという、今やマツダの代名詞であるSKYACTIV TECHNOLOGYを投入。

 加えて、電動両側スライドドアを全車に標準装備しながらも室内や荷室のスペースを増やして使い勝手も向上。賛否両論を呼んだ既存のミニバンとは一線を画す躍動感のある外観デザインと相まって、実用性や利便性ばかりが求められるミニバンの世界に新しい風を吹き込んだ。

トライ&エラーこそがマツダの魅力! 今だからこそ絶賛したい、あのクルマ
シートアレンジも自由自在で、かっこ良さと使い勝手の良さが両立されていたところもビアンテの人気の秘密だった

マツダ最後の量産ロータリーエンジン搭載モデル「RX-8」

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ロータリーファンの期待を一身に受けて登場。2012年の生産終了以降、ロータリーエンジン搭載車は生産されていない

 RENESIS(レネシス)と名付けられた新ロータリーエンジンを搭載したRX-8がデビューしたのは、RX-7生産終了から8カ月後の2003年4月。REとGENESISを掛け合わせた造語のRENESISは低回転域から9000rpmに至る高回転域まで高いトルクを発生するとともに、フューエルインジェクタや点火プラグの改良で低燃費・高出力・クリーンな排出ガスを有する654cc×2ローター自然吸気の新世代エンジンとして注目を集めた。

 ボディのスタイリングもスポーツカー然としたフォルムながら、大人4人が乗れる空間を有する4シーター、かつ観音開きのフリースタイルドアシステムを採用することで実用性にも配慮。2003年4月から2012年3月末までに海外向けを含めて19万2094台が生産されたRX-8は約9年間で一度のマイナーチェンジと二度の一部改良が行われ、2012年6月に惜しまれつつ生産終了となった。

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インテリアはスポーティながらも、フロントシートには多彩な収納機能が搭載されるなど、デザインと使い勝手の良さを両立させていた点も特長のひとつだった

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