同価格帯筆頭はハリアーやCX-5など人気SUV
最も注目されるのは、人気のカテゴリーとされるSUVだ。ハリアーは価格が最も安い2WD・「S」が299万円、中級の2WD・「G」は341万円になる。合成皮革を使った内装は上質で、「G」になるとアダプティブハイビーム、運転席の電動調節機能など、装備も同じ価格帯のシビック「EX」と同様に充実する。そしてハリアーの後席と荷室は、シビックよりも広い。
逆にシビックがハリアーを上まわるのは走行性能だ。ハリアーのノーマルエンジンは直列4気筒2Lで、車両重量は2WD・「G」が1570kgに達する。ハリアーの動力性能は、実用的な不満は生じなくても、上級SUVとしては物足りない。その点でシビックの走りは満足度が高い。
SUVではマツダ CX-5の人気も根強い。2WD・「XDプロアクティブ」は、価格がシビック「LX」と同等の322万8500円で、直列4気筒2.2Lクリーンディーゼルターボを搭載する。
最高出力は200馬力、最大トルクは45.9kgmと力強い。シビックの182馬力・24.5kgmを大幅に上まわる。「XDプロアクティブ」は実用装備も充実しており、アダプティブLEDヘッドランプ、リアゲートの電動開閉機能、運転席の電動調節機能などを標準装着した。
また、同じCX-5の2WD・「25S・Lパッケージ」は、価格が320万1000円で、2.5Lノーマルガソリンエンジンと充実した装備を採用する。センターディスプレイが10.25インチに大型化され、シート生地は本革になり、後席にもシートヒーターが備わる。
シビックでは低重心による優れた走行安定性がメリットだが、CX-5はSUVの中でも価格が特に割安だ。CX-5・2WD・「XDプロアクティブ」の価格は、前述の通りシビック「LX」と同程度だが、装備は先に挙げたアダプティブLEDヘッドランプの装着などによって少し充実している。
さらにエンジンは2.2Lクリーンディーゼルターボで、後席や荷室も広いから、機能や装備と価格のバランスではCX-5が上まわる。
人気ミニバンやレヴォーグも売れ筋価格帯が一致
ミニバンでは、セレナの売れ筋価格帯がシビックとほぼ一致する。ノーマルエンジン(マイルドハイブリッド)の「ハイウェイスターV」は307万100円だから、シビック「LX」よりも12万円ほど安い。「e-POWERハイウェイスターV」は358万2700円だから、シビック「EX」よりも約4万円高い。
セレナのこの2グレードには、両側スライドドアの電動機能や運転支援機能のプロパイロットなどが標準装着される。加える必要があるのは、ディーラーオプションのカーナビ程度だ。
基本的な装備内容は、シビック、セレナともに同程度で、シビックは走行性能が優れ、セレナは広い室内と豊富なシートアレンジなど、ミニバンの機能と装備を充実させた。
ワゴンではレヴォーグがシビックのライバルになる。レヴォーグの推奨グレードは「GT・EX」で、価格は348万7000円だ。シビック「EX」に近い設定となる。
レヴォーグのエンジンは水平対向4気筒1.8Lターボで、最高出力は177馬力、最大トルクは30.6kgmだ。最高出力はシビックが上まわるが、最大トルクは排気量に余裕のあるレヴォーグが勝る。そしてレヴォーグは全車が4WDを採用するから、走破力もシビックに比べて優れている。
装備については、レヴォーグ「GT・EX」には、渋滞時のハンズオフアシスト(ステアリングホイールから手を放しても運転支援が続く機能)を含んだアイサイトXテクノロジー、リアゲートの電動開閉機能、11.6インチのセンターディスプレイと通信機能、歩行者保護エアバッグなどが備わる。
シビック「EX」は、BOSEプレミアムサウンドシステムの採用に特徴を持たせたが、4WDを含めて機能や装備を比べると、レヴォーグが充実して割安と受け取られる。
そしてシビックと同様、ミドルサイズの5ドアハッチバックには、マツダ3も設定される。シビックに価格の近いグレードは、スカイアクティブX搭載車だ。基本的な装備を充実させた「Xプロアクティブ」は319万8148円になる。本革シート、運転席の電動調節機能などを装着した最上級の「X・Lパッケージ」は338万463円だ。
ただし、マツダ3のスカイアクティブX搭載車は、2Lのノーマルエンジン車に比べて価格が約68万円高い。そのために装備と価格のバランスでは、シビックが少し割安になる。
コメント
コメントの使い方