■86/BRZの6速MTにも衝突被害軽減ブレーキは必須になる
実際にほかのメーカーの6速MTは、衝突被害軽減ブレーキを組み合わせている。マツダは6速MTの設定が豊富で、衝突被害軽減ブレーキは、ロードスターやマツダ2を含めて幅広い車種に装着されている。
トヨタであればヤリス&GRヤリス、カローラセダン/ツーリング/スポーツなどの6速MTにも採用した。スズキもスイフト&スイフトスポーツ、軽自動車のジムニーにも、MTと衝突被害軽減ブレーキの組み合わせがある。
ちなみに衝突被害軽減ブレーキは、今後の義務化が決まっている。国産乗用車については、新型車が2021年11月、継続生産車も2025年12月以降は、衝突被害軽減ブレーキを装着せねばならない。
BRZの6速MTも、2025年12月までには、アイサイトコアテクノロジーを装着することになるわけだ。それなら早めに対応するほうが好ましい。
特にトヨタは、前述のとおりヤリスなどのコンパクトカーも含めて、6速MTに衝突被害軽減ブレーキを装着している。86の装備内容は現時点では不明だが、BRZの姉妹車だから、6速MTには設定されないだろう。
そうなるとトヨタとしては、衝突被害軽減ブレーキに関して、各車種の統一が取れなくなってしまう。その意味でも、BRZを含めて、早い時期に設定することになると思う。
この点を販売店に問い合わせると、スバルでは「BRZの6速MTにアイサイトを追加する時期は不明」という。トヨタは「86に関する詳細な情報は、装備を含めてメーカーから聞いていない。予約受注の時期も、おそらく9月とは思うが、8月下旬の時点では知らされていない。衝突被害軽減ブレーキについても不明」とのことだ。
それでも衝突被害軽減ブレーキは、クルマにとって最大の欠点とされる交通事故の防止に優れた効果を発揮する。BRZと86は、スポーツカーでは販売台数が多いので、全車に標準装着されると事故防止の効果も高まる。なるべく早い時期に、6速MTにも採用して欲しい。