■トヨタSUVのちょうど真ん中、ミドルサイズのSUV!
カローラクロスが加わると、トヨタでは、表に記したようなSUVのラインナップを完成させる。表のトヨタSUVラインナップからわかる通り、カローラクロスにサイズが最も近いSUVはC-HRだ。カローラクロスのプラットフォームはC-HRと共通で、ホイールベースの数値も2640mmで等しい。
ただしC-HRは外観が5ドアクーペ風で個性が強く、後席と荷室が狭めで後方視界も悪い。そのために売れ行きも伸び悩む。2021年1~7月におけるC-HRの登録台数は、1ヵ月平均にすると1750台だ。
ヤリスクロス(ヤリスとGRヤリスを除く)は9450台、ライズは7928台、ハリアーは7864台だから、C-HRはほかのトヨタのSUVに比べると登録台数が大幅に少ない。
しかもトヨタのコンパクトSUVとLサイズSUVには、上記の通り前輪駆動ベースだけでも性格の異なる2車種が用意されるのに、登録台数を伸ばせる中心的なミドルサイズは、売れ行きが低迷するC-HRのみだった。そうなるとカローラクロスは、待望の新型車になる。
そこでカローラクロスは、価格を割安に抑えた。ハイブリッドシステムはC-HRと同じだが、NA(自然吸気ガソリン)エンジンは異なる。C-HRは直列4気筒1.2Lターボだが、カローラクロスは、カローラセダンやツーリングと同じ1.8LのNAガソリンエンジンを搭載してコストを低減させた。
そのためにカローラクロスの1.8LNAエンジンは、ハイブリッドよりも35万円安い。C-HRの1.2Lターボとハイブリッドの価格差が33万円だから、カローラクロスはNAエンジンを割安に搭載できたというわけだ。
カローラクロスの駆動方式は前輪駆動の2WDが基本で、ハイブリッドには後輪をモーターで駆動するE-Fourも用意される。1.8LNAエンジンには4WDの設定はない。
カローラクロスのグレード構成は、NAエンジンが安い方からG・X、G、S、Zの4種類になる。ハイブリッドにG・Xは用意されないが、ほかの3グレードはNAエンジンと共通だ。
■新型カローラクロスの推奨グレードはこれだ!
各グレードの装備を見ると、安全装備のトヨタセーフティセンス、LEDヘッドランプ、7インチディスプレイオーディオなどは、価格が最も安いG・Xを含めて全車に標準装着される。
Gには、G・Xの装備に加えて、パーキングサポートブレーキ、インテリジェントクリアランスソナーなどが加わり、オプション装備の選択肢も充実する。価格はG-Xよりも24万1000円高い。
Sには、Gの装備に加えて、17インチサイズアルミホイール、ルーフレールなどが加わる。価格はGに比べて16万円上乗せされる。
Zは最上級グレードとあって、アルミホイールのサイズが18インチに拡大され、シートの生地も上級化される。価格はSに比べて24万円高い。
各グレードの買い得度を、機能や装備と価格のバランスだけで考えると、G・X(199万9000円)がベストだ。「200万円以下」の強いインパクトを持たせ、なおかつトヨタセーフティセンス、LEDヘッドランプ、7インチディスプレイオーディオなどは標準装着した。必要な装備まで取り去った価格訴求の廉価グレードではないから、G・Xを選んでも実用的な不満は生じない。
しかしカローラクロスはコンパクトカーではなくSUVだから、趣味性も満足させたいだろう。そうなるとアルミホイールやルーフレールなどの外装パーツも欲しい。
推奨されるグレードと2WDの価格は、S(NAエンジン:240万円/ハイブリッド:275万円)、あるいは最上級のZ(NAエンジン:264万円/ハイブリッド:299万円)になる。
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