■割高感のあるキックスやマツダCX-30は?
コンパクトSUVとしてはキックスも注目される。ハイブリッドのe-POWERのみを搭載して、運転支援機能のプロパイロット、17インチアルミホイールなども標準装着した。グレードは基本的に2WD・X(275万9900円)のみで、装備内容はカローラクロスハイブリッドS(2WDの価格は275万円)に近い。
WLTCモード燃費は、キックスXが21.6km/Lで、ヤリスクロスハイブリッド2WD・Sは26.2km/Lだ。キックスは全長が4295mmと短いが、後席を使った状態でも広い荷室を得られる。
燃費性能はヤリスクロスハイブリッドが勝っているが、キックスも優れた取り回し性と広い荷室を両立させており、使い方や好みに応じて選びたい。
カローラクロスのライバル車にはCX-30も挙げられる。全長は4395mmだから、カローラクロスに比べて95mm短いが、ホイールベースは逆に15mm上まわり2655mmになる。つまりCX-30は、4輪をボディの四隅に配置した。
それでも後席はカローラクロスが広い。CX-30の場合、身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ1つ半に留まるからだ。コンパクトSUVの平均は握りコブシ2つ分で、ヴェゼルは2つ半を確保するため、CX-30の後席はさらにコンパクトなヤリスクロスに近い。
その代わりCX-30は、運転姿勢とペダル配置が自然な印象で、ドライバーが車両との一体感を得やすい。SUVはコンパクトでもファミリーユースを考慮する傾向が強いが、CX-30はドライバー中心の考え方で開発された。これは今のマツダ全体のクルマ造りに通じている。
搭載されるエンジンは、直列4気筒の2Lガソリン、1.8Lクリーンディーゼルターボ、2Lのe-SKYACTIV-Xを用意する。ハイブリッドの設定はない。そこで両車ともにNAエンジン同士で比べる。
CX-30で2Lガソリンエンジンを搭載する主力グレードは、20Sプロアクティブ(2WDの価格は261万2500円)になる。これに相当するのはカローラクロス1.8Z(264万円)だ。
CX-30・20Sプロアクティブは、ハイビーム状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑えるアダプティブLEDヘッドランプ、電動開閉式リアゲートなどを標準装着する。
装備内容はカローラクロスZと同等で、エンジン排気量は2Lだから少し余裕を持たせた。WLTCモード燃費(2WD)は、カローラクロスのNAエンジンが14.4km/L、CX-30は2Lながら15.4km/Lと優れている。
運転の楽しさや趣味性の強い内外装で選ぶならCX-30、後席や荷室の広さなど、実用性を重視するならカローラクロスという選び方になる。
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