■スバルR2:スバル渾身の力作/軽ハイトワゴンブームに乗り遅れた?
R2は軽ハイトワゴンのプレオに置き換わる存在として、2003年に登場した現在のアルトやミライースのような軽セダンである。
アルトやミライースのような軽セダンと書いたが、R2は全グレード4気筒エンジンの搭載や独立懸架となる四輪ストラットサスペンションの採用に加え、インテリアの質感なども上々と、スバルらしいこだわりや上質感ある軽セダンだった。
しかし、R2は軽自動車業界においてすでに主流がワゴンRのハイトワゴンに移行していたことに加え、スーパーハイトワゴンのタントの登場、初期モデルのスプレッドウィングスグリルのクセが強かった点が原因だったのか、販売は月間販売目標の8000台に遠く及ばず。
2005年にはグリルをオーソドックスなものにするなど、スバルらしく毎年のように改良も行われたものの、2006年にハイトワゴンのステラが登場すると、ステラに流れるユーザーが多かったこともあり、R2の生産台数は約6年で約13万3000台に留まった。
R2の伸び悩みはスバルの軽撤退の原因の1つだったと思うが、スバルは何でも渾身の力を込めてしまうメーカーだけに、収益の良くなかった軽乗用車からの撤退は長期的に見れば大幅な収益改善につながったのも事実で、R2の伸び悩みは怪我の功名と言えなくもないのかもしれない。
■スバルエクシーガ:価格も商品力も文句ないが…/乗用車型ミニバンの縮小が致命傷に
エクシーガは、スバルとしてはオペルザフィーラのOEMとなるトラヴィックの絶版以来約3年振りの3列シートミニバンとして2008年に登場した。
SIシャーシを使い、ヒンジドアで全高を1660mmに抑えた3代目オデッセイのような乗用車型ミニバンだったエクシーガは、スバル車らしい完成度の高さに加え、3列目シートもシッカリ使える広さを備える点、スバル車の登録車ではあまりないFF車も設定し、価格を初期モデルで199万5000円からと抑えた点など、クルマ自体や商品力は文句なかった。
しかし、ミニバン業界自体がエクシーガの登場した時代にはスライドドアを持つBOXタイプにシフトしており、エクシーガの同級生だった3代目と4代目のオデッセイですら販売が下降していたこともあり、エクシーガの販売は伸び悩んだ。
それでもエクシーガもスバル車の伝統により毎年のように改良を重ね、最後はSUVブームにより2015年に最低地上高を上げるなどしたクロスオーバーとなるクロスオーバー7に移行するという延命も行った。だがエクシーガが浮上することは最後までなく、エクシーガは残念ながら2018年に絶版となった。
エクシーガの絶版以来スバルのラインナップにミニバンはなく、エクシーガユーザーの受け皿も含め、3列シートラージSUVとなるアセントの日本導入やアウトバックに3列シートを設定するといった、何らかの3列シート車の登場が望まれる。
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