■結論:旧車オーナーは水洗いを避けて洗車するのが得策
最終的には現オーナーの考え方次第だが、結論としては「水洗いを避けて洗車する」のが妥当といえるだろう。特に古い日本車の場合、ゴム類が製造廃止になり入手できないケースが多い。劣化していても代替品がないから使い続けるしかないのが現実だ。
また、ボディの水抜きの穴に汚れが蓄積して目詰まりを起こしたり、もともとの設計上、うまく水流れず特定の場所にたまってしまうケースもあるようだ。
その結果、逃げ場を失った水がボディの特定の場所に蓄積され、錆を誘発する要因にもなりかねない。
そうなると、究極の洗車は「洗車をしない」ことだろう。とはいえ、屋外をホンの10分でも走行すれば、大気中の汚れはもとより、時期によってはスギ・ヒノキ等の花粉がボディに付着する。水洗いの工程をすっ飛ばしていきなりボディの汚れを拭き取るとなると、ある程度の磨き傷は避けられない。
そこで、前述のように1本1万円前後もする毛ばたきを2本用意して、優しくボディに付着した埃や不純物を除去するといった涙ぐましい努力をしているオーナーも実在する。
ボディのコンディション保護を最優先にするなら、多少の磨き傷は目をつぶり「ある程度きれいになればそれでOK」くらいの、良い意味での寛容さや割り切りが必要なのかもしれない。
■余談:旧車オーナーは雨の日のドライブを避けるべきか否か?
ボディはもとより、エンジンルームやホイールハウスにも断続的に水がかかることになる。所要時間にもよるが、ボディ全体がかぶる水の量は洗車どころではないだろう。
雨の日に旧車に乗るか否か、この点はオーナーによって考え方がまったく異なってくる。
オーナーインタビューで旧車とそのオーナーを取材させていただく場合「雨の日は避けてほしい」といわれることもしばしばだ。
そのため、週間天気予報で取材予定日に雨のマークがついた時点で、オーナーと日程の再調整をはじめることも少なくない。
こちら側としては、雨だろうが雪だろうが1日でも早く「撮れ高」が確保できた方が気が楽になる。しかし、そういう問題ではない。オーナーにとって他に代わるものがない「愛車」だ。
そんなこともあり、古いクルマであればあるほど、雨に濡れるかもしれない日の取材は極力回避するようにしている。
五木寛之の名著『雨の日には車をみがいて』ではないが、もしガレージ保管をしているなら、雨の日はクルマ磨き(またはクルマいじり)に専念するのがよさそうだ。
もし、ガレージがないという場合は・・・自宅でクルマ関連の雑誌やネット、蒐集してきたコレクションの整理、懐かしいクルマのカタログを読み返すなど、雨の日ならではの楽しみ方を模索してみるのもアリだ。ただし、思わぬ散財にはご注意を!
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