■今や小型車でも全幅1800mmが普通。普通車に至っては更にワイド化が進行中
●歴代クラウンのボディサイズ
■初代、1955年/全長4285×全幅1680×全高1525mm
■2代目、1962年/全長4610×全幅1695×全高1460mm
■3代目、1967年/全長4610×全幅1690×全高1445mm
■4代目、1971年/全長4680×全幅1690×全高1420mm
■5代目、1974年/全長4765×全幅1690×全高1440mm
■6代目、1979年/全長4860×全幅1715×全高1410mm
■7代目、1983年/全長4860×全高1720×全高1420mm
■8代目、1987年/全長4860×全幅1745×全高1400mm
■9代目、1991年/全長4800×全幅1750×全高1440mm
■10代目、1995年/全長4820×全幅1760×全高1425mm
■11代目、1999年/全長4840×全幅1765×全高1445mm
■12代目、2003年/全長4840×全幅1780×全高1470mm
■13代目、2008年/全長4870×全幅1795×全高1470mm
■14代目、2012年/全長4895×全幅1800×全高1450mm
■15代目、2018年/全長4910×全幅1800×全高1455mm
そして全幅をさらに拡大した時の2つ目の限界点が1800mmだ。海外市場を重視して開発されたレクサスIS、カムリ、スカイライン、アコードといったセダンは、全幅がすべて1800mmを超えている。
ところがクラウンは、全長が4910mmに達するLサイズセダンなのに、全幅を1800mmに抑えた。日本専用の高級車として1955年に誕生したクラウンの全幅は、5ナンバー枠を使い切る1680mmからスタートした。
2代目から5代目までは1690mmと5ナンバーを維持していたが、1979年の6代目から全幅1715mmの3ナンバー車両が設定された。
続いて1720→1745→1750mmと代ごとに拡大を続け、9代目から全車3ナンバーとなった。10代目のロイヤルシリーズでボディ構造をペリメーターフレーム式からモノコックボディに一新した際に、全幅は1760mmとなった。
11代目で1765mm、ゼロクラウンとして知られる12代目で1780mm、13代目で1795mmと確実に増加。2012年発表の大型グリルを採用した14代目で最大の1800mmに達したが、2018年に登場した現行クラウンで、全幅の拡大がパッタリと止まった
全幅1830~1850mmの多い欧州セダンのなかにあって、日本専用のクラウンが1800mmにとどまったのは、歴代モデルを乗り継ぐオーナーや需要の多い法人顧客からの声を反映したものだろう。そうした声を聞いてきたからこそ、現在の成功があるのだ。
先代F30型BMW3シリーズも、以前はわざわざドアノブの形状を換えてまでして日本仕様の全幅を1800mmにしていた。全幅を1800mmに抑えた背景には、立体駐車場の利用性を向上させる目的もある。今でも全幅:1800mm以下・全高:1550mm以下という施設が多いからだ。これと併せて、全幅が1800mm以下なら、混雑した街中での扱いやすさにも配慮できる。
それにしても、近年の日本車は、海外仕様との共通化もあって全幅を急速に拡大させた。
例えばレガシィは、1998年に登場した3代目まで、ツーリングワゴンやB4(セダン)の全幅を5ナンバーサイズに抑えていた。それが2003年に発売された4代目で、1730mmに拡幅され、3ナンバー車になっている。
この後、2009年に発売された5代目では、全幅が1780mmに広がった。2014年に登場した6代目は、ツーリングワゴンを廃止して、B4の全幅は1840mmに達した。
2021年9月に受注を開始した7代目の新型は、日本での取り扱いがアウトバックのみになり、全幅は1875mmまでワイド化されている。レガシィは5ナンバー車の3代目を2003年まで販売していたから、その後の18年間で、全幅を180mm拡大したことになる。
日本における道路環境は、舗装整備やバイパスの建設が活発化した1960年代から1970年代に大きく改善されたが、それ以降は道路の幅員も含めて、あまり進化していない。それなのにクルマの全幅は大きく拡大したから、取りまわし性が悪化した。
特に1989年に消費税の導入と併せて自動車税制が改訂され、3ナンバー車の不利が撤廃されると、国内で販売するクルマを海外仕様と共通化して開発と生産を合理化するようになった。この影響で、前述の通り、全幅が急速に拡大している。セダンを中心にクルマの売れ行きが低迷して、車種の数も減ってしまった。
したがって、今の販売ランキングの上位には、N-BOX、スペーシア、ヤリス、ルーミー、アクア、ノートなど、軽自動車やコンパクトな車種が多く並ぶ。国内における新車の売れ行きをカテゴリー別に見ると、軽自動車が最も多く、新車として売られるクルマ全体の38%を占める。次が5ナンバーサイズを中心にしたコンパクトカーで25%だから、60%以上が小さなクルマだ。
SUVも増えて今は約15%に達するが、人気の高いヤリスクロスやヴェゼルは、3ナンバー車ながらも全幅は1800mm以下だ。その意味でカローラクロスは、比較的コンパクトなSUVなのに全幅は1800mmを超えるが、今のところは少数派だ。
コメント
コメントの使い方全幅に関していえば
自分の車は慣れる。
対向車や路駐に幅は気になる。
東南アジアあたりでは、未だ5ナンバーセダンの新型日本車販売しているので、市場規模が小さい?がわからない。
インド車なら、右ハンドル、少しの改造で輸入できそう。
どうなんでしょうか?
そもそも横幅1800ミリなんてトヨタの自主規制にほかならず、そんなの無視して外国車がカッコいいと言ってきたのが自動車ジャーナリストだろう。ぼくの持ってる昔読んだクラウンの評論では「(クラウンの横幅は)日本中の道路を調べて決めましただって、そんなの関係ねぇだろ!」ってそう言ってきたんだよ。人が真面目に検討してきたのにさ。
トヨタがケシカラン・日本の国土・道路は狭い・駐車場もである・で無意味なデカい車は周りが迷惑である・ランドクルザー等々日本では売るな・米友人が日本の駐車スペースは軽が当てはまると。
確かに全幅が広いと車両感覚が薄れる、かもしれないけど、1850mmと1800mmの車にほぼ違いなんて感じない。運転してみればすぐわかる。なぜなら、車両が大きかろうが小さかろうが道の真ん中を堂々と走ってくるし、交差点では通り過ぎてくれるのをバカづらさげて待ってるじゃん。そうなったら全幅は2000mm超えても問題ないと思うよ。むしろ全長のほうが問題。曲がれないとか駐車できない、なんてことになるからね。
下手くそが増えて、右左折時はそっちによるとか、互いに少し避けてすれ違うとかすら出来ないのが増えたから、軽でもアルファードでも1台分塞いじゃうのは同じだ。
でも、10cm以上の差になると大きいよ。邪魔度合いが違う。下手は「相手が避ける」「ぶつかっても負けない」じゃなくて小さいのに乗ってくれ。バイクのようにサイズで免許を変えても良いくらいだ。
昔の軽自動車サイズで最新レベルの衝突安全性や快適性を実現できないメーカーは、技術力が低い。
全く同感です。私3年程前から機械式のマンションの駐車場に入る良いなと思う車が失くなったと嘆いています。
トヨタはお客様のためにと言いながら入る車はコンパクト以下、このコンパクト車がロードノイズはカローラ、新型プリウスでさえうるさくかつ見飽きるデザインにして左後方が見ずらく不安。トップクラスの安全性と謳いながらオプション、会社の姿勢が見えみえです。視界含め安全性はスバル、スズキの姿勢が好感持てます