エンジンオイルは純正品が一番? 高性能な社外オイルを使うメリットとデメリット

■オイル管理をキチンとしていれば10万kmを超えても好調

上からエンジンオイルを交換する時、今まで入っていたエンジンオイルを抜くのは上から機械によって吸い取る方式ではなく、できれば下抜きを行いたい(fotofabrika@AdobeStock)
上からエンジンオイルを交換する時、今まで入っていたエンジンオイルを抜くのは上から機械によって吸い取る方式ではなく、できれば下抜きを行いたい(fotofabrika@AdobeStock)

 要は「オイル交換なんて、どこでやっても同じだろ。重要なのはオイル交換の費用」と思っている人に、注意喚起をしたいのだ。オイル管理はエンジンにとっては重要だ。数千円ケチッただけで、後々大きな代償を払うことになるかもしれないのだから。

 しかも1回のオイル交換で不調になったり、フィーリングが変わるのは、よほど粗悪なエンジンオイルを入れた場合だけだ。ほとんどは新油に交換したことで、フィーリングは好転するので、大抵の場合は気付かない。

 それを繰り返し行なったことで、エンジン内部の摩耗が進み、結果としてエンジンの寿命を縮めてしまうのである。オイル交換を怠ることで起こるようなトラブルが、何度も低品質なオイルを使ったことでも起こるのだ。

 オイル交換したばかりのエンジンは、回転フィールが滑らかになって、音が静かになったりして明らかに潤滑性能が回復したと感じるものだ。そうしたフィールが感じ取れなければ、それは純正オイルより潤滑性能が低いということになる。

 安いエンジンオイルでついついオイル交換を引き伸ばしたことで、エンジンから異音(クランクプーリー付近から共鳴音が出てきた)が出てきた経験をもつ筆者としては、同じような経験をしてほしくない、という思いだ。

 また純正オイルより高価で高性能なエンジンオイルを使えばいい、という単純な問題でもない。というのも、粘度表示は同じでも、実際の粘度は銘柄によって意外と異なるし、潤滑性能や安定性を高めるための添加剤の配合も異なる。

 場合によっては純正オイル(こちらも化学合成油であれば)よりも性能が低い化学合成油も存在するからだ。

 もちろん純正より高性能なオイルを使うことのメリットは存在する。それはサーキット走行などのシビアコンディションでもエンジンを労り、ダメージの蓄積を抑えることだ。極限状態でのエンジントラブルを防ぎ、その条件下では燃費も純正オイルより良好だろう。

 デメリットはオイルの価格が高いことと、相性問題のリスクだ。オイル漏れなどのトラブルの心配はほとんどないが、純正オイルより燃費が落ちることも有り得る。それでもエンジンを守る効果が高まっていれば、トータルでは割高ではなくなるかもしれない。

 純正より高性能なオイルだからと、長く使うのもお薦めできない。確かに耐久性が高いオイルもあるが、良いオイルは清浄性も高く、カーボンなどを内部に取り込む能力が高い。

 汚れたオイル、金属粉などを吸収したオイルをエンジン内に循環させ続けるのは、やはり摩耗を進める原因になる。オイルの交換サイクルを延ばすことは、リスクを高めるだけだ。

 ともかく、最近のクルマはエンジニアがあらゆる手段を用いて燃費を高める努力をしている。エンジンオイルも燃費のためにギリギリまで考えられているのだ。少しでも長く、愛車のエンジンを本来の調子のまま維持したければ、エンジンオイルだけは半年に1回を目安に純正以上のオイルに交換するようにしたい。

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