■私の「ベストレクサス」と「買っておくべきレクサス」
ベストレクサスにはLFAを挙げたいと思います。2010年当時、LFAは間違いなくトヨタの、そしてレクサスの技術の頂点に君臨したクルマです。大切なことはトヨタがプレミアムブランド「レクサス」を立ち上げ、そのフラッグシップでありアイコンとなるLFAを、全社を挙げて作りあげたということです。
まるでモーターのように回るV10エンジンは、あのトヨタF1用V10エンジンを連想させる高精度なもので、分厚いトルクというよりも鋭い吹き上がりと、キレのいい走りが印象的です。
今買うべきレクサスを挙げるとするなら、今や世界的に希少な大排気量NAエンジンを積むRC Fを推します。野太いサウンドと、ちょっと荒っぽい吹き上がり、トルクたっぷりの豪快な加速感が魅力です。案外重量バランスがよく、操縦性のよさも魅力です。
次点としてLC500を挙げておきます。同じ5リッターNAエンジンを搭載しながら、RC Fに見られた、むき出しのパワー感が上手に抑え込まれており、ラグジュアリーな匂いをまとった個性的な一台に仕上がっています。
■まとめ:それでも「レクサス、まだまだだな」と思うこれだけの理由
結論から書くと、現時点でクルマ好きにすすめられるのはLC500だけといってよい。このクルマを除くと、ハンドル握ったら「トヨタデラックス」です。徳大寺師匠はデキの悪いアウディに乗ると「VWデラックスだな」と称して笑っていた。それの受け売りです。私は「厚化粧のトヨタ」とも書く(笑)。
そのLCの逆に、一番ガッカリしたのはISがデビューした時のこと。安いダンパー使っているため乗り心地は普通の日本車。高いクルマなんだからC-HRのようにザックスあたりを使ったらいかがか、と聞いてみたら「高くて使えない」ときた。
トヨタだって使えるダンパーを(今はC-HRもコスト高いということからKYBに替えちゃいました)、トヨタの同クラス車より100万円以上高く売ってるレクサスが使えないとは! やはり厚化粧しただけね、と心底ガッカリしたのを思い出す。
そもそもレクサスのスタートは「誠実な高級車作り」と説明された。当初は頑張っていたと思う。が、いつの間にかブランド作りに血道を上げるようになった。
なるほど今やレクサスのブランドイメージは高い。クルマ好きじゃなければ「レクサス=憧れの高級車」。でもクルマにウルサイ人からすれば……。LC500のようなクルマ作りを目指してほしいと強く思う。
【画像ギャラリー】ジャーマン3に追いつけ・追い越せ!! ユーザーに認められた日本産高級ブランド レクサスの16年(17枚)画像ギャラリー
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