政府が石油元売り会社に補助金支給を始めたのに なぜガソリン店頭価格の上昇は続くのか?

■本来ならガソリン価格高騰への対策は「当分の間税率の廃止」、ガソリン税額に対してさらに消費税が課税されている二重課税の撤廃であるべき

 今回のガソリン価格高騰を受けて、JAFが声明を発表し、ガソリン税等に上乗せされ続けている「当分の間税率」を廃止すべき、ガソリン税に消費税が課税されている「Tax on Tax」という不可解な仕組みを解消すべき、と主張しています。

2月8日に投稿されたJAFがツイートした画像。JAFは『税制改正に関する要望書』として「当分の間税率の廃止」および「Tax on Taxの解消」を政府等に要望し続けている
2月8日に投稿されたJAFがツイートした画像。JAFは『税制改正に関する要望書』として「当分の間税率の廃止」および「Tax on Taxの解消」を政府等に要望し続けている

今こそ、ガソリン価格を抑えるために「当分の間税率の廃止」および「Tax on Taxの解消」を!

 最近よく言われる「トリガー条項」は、ガソリン価格が3カ月連続で1リットル当たり160円を超えた場合に、本来の税率に上乗せされたガソリン税25.1円が差し引かれ、130円を下回れば25.1円が再び上乗せされる、というものですが、2011年の東日本大震災による復興財源を確保するため、「別に法律で定める日までの間」、その適用が停止されています。

 トリガー条項に関する議論は、1974年から「当分の間」の「暫定措置」であったはずの25.1円の税金上乗せが存在することが前提となっています。JAFは、50年近く経った今でも明確な理由なく続いている「当面の間税率」そのものを撤廃すべきと主張しています。

 またJAFは、上乗せされて1リットルあたり53.8円のガソリン税に、さらに10%の消費税が課税されている二重課税の問題も改めて指摘しています。これがなくなれば5.38円のガソリン価格下落につながります。今回の補助金の上限は5円と決まっていますので、二重課税がなくなった方がガソリン価格抑制の効果は高いと言えます。

 今回のガソリン価格の高騰と、それに対する一時的な間に合わせの策としてのガソリン元売り会社への補助金の支給政策で、改めて自動車にかかる税金の高さと税制のいびつさが明らかになりました。

 100年に一度の自動車産業の変革期、と言われるなかで、自動車関連税制は高度成長期から基本的な枠組みが変わらないままです。

 エコカー減税が終了する2023年度には自動車にかかる税制が抜本的に見直されることとなっていますが、現状の政策を見ると、残念ながら抜本的な変化が起きることに大きな期待はできないのかもしれません。

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