こんな装備いる? いらない? クルマの飛び道具は今後普及していくのか?

■デジタル外部ミラー採用は広がった?

デジタルアウターミラーを採用しているレクサスES
デジタルアウターミラーを採用しているレクサスES
レクサスESの「デジタルアウターミラー」は、デジタルインナーミラーともにカメラ性能をアップデート。LEDのちらつきを大幅に低減するとともに画質を向上させ、昼夜ともに優れた視認性を実現した
レクサスESの「デジタルアウターミラー」は、デジタルインナーミラーともにカメラ性能をアップデート。LEDのちらつきを大幅に低減するとともに画質を向上させ、昼夜ともに優れた視認性を実現した

 2018年10月に発表発売されたレクサスES(ハイブリッド仕様のES300hのみの設定)にされ注目された、ドアミラーに代わって外部に装着されたCCDカメラを利用した「電子ミラー」はその後広まった気配がないが、どうなっているのだろうか。

 サイドミラーの代わりに小型デジタルカメラを利用して室内のモニターに後方外部の状況を映し出す「デジタルアウターミラー」は、2020年8月のマイナーチェンジでバージョンLとともにFスポーツ(パノラミックビューモニターを選択した場合に装着可能)にメーカーオプションで設定された。

 2021年8月の一部改良(同年10月に発売)では、カメラの性能を向上させて、LED特有の画像のちらつきを抑えるなどの改良を実施した。

 とはいえ、トヨタが他モデル、たとえば電動車系にも採用を拡大する気配は感じられず、レクサスのEVであるUX300eやPHEVのNX、トヨタ・スバル共同開発で注目のEVであるbZ4Xにも未採用なのは、まだ技術や商品性の面で煮詰める必要があるとの判断だろう。

2020年10月30日に発売されたホンダe。価格は標準仕様のホンダeが451万円、上級グレードのホンダeアドバンスは495万円
2020年10月30日に発売されたホンダe。価格は標準仕様のホンダeが451万円、上級グレードのホンダeアドバンスは495万円
昼夜天候を問わず安心な視界を確保できるよう、サイド/センターカメラミラーシステムを搭載。世界初の量産車標準装備となるサイドカメラミラーシステムは、170万画素の高精細カメラを採用。カメラで捉えた映像はインストルメントパネル左右に配置した6インチモニターに映し出され、従来のドアミラーと比べても違和感が少なく運転が可能な見やすい映像を表示する
昼夜天候を問わず安心な視界を確保できるよう、サイド/センターカメラミラーシステムを搭載。世界初の量産車標準装備となるサイドカメラミラーシステムは、170万画素の高精細カメラを採用。カメラで捉えた映像はインストルメントパネル左右に配置した6インチモニターに映し出され、従来のドアミラーと比べても違和感が少なく運転が可能な見やすい映像を表示する

 2020年8月に発表されたホンダ初の量産EV(電気自動車)であるホンダeでは「サイド(リア)カメラミラーシステム」によって、サイドミラーに採用している。標準装備としているホンダeはESに比べれば、ボディのコンパクトさゆえか、室内モニターのデザインなどによって、運転時の違和感は少ない印象だった。

アウディe-tronに装備される「バーチャルエクステリアミラー」は、高解像度カメラとドアトリムに組み込まれた有機LEDタッチディスプレイで構成される。夜間や悪天候時等でも鮮明な映像でクリアな視界を確保する(写真はe-tron50クワトロ)
アウディe-tronに装備される「バーチャルエクステリアミラー」は、高解像度カメラとドアトリムに組み込まれた有機LEDタッチディスプレイで構成される。夜間や悪天候時等でも鮮明な映像でクリアな視界を確保する(写真はe-tron50クワトロ)

 いっぽうで輸入車ブランドでの採用はアウディのみ。「バーチャルエクステリアミラー」はEVであるe-tronのみの設定で、以降に導入されたEVのe-tron GTやQ4 e-tron(スポーツバック)にも設定されていない。

 このように、他モデルに広がりを見せていないのはコスト面もあるだろうが、やや採用が先んじすぎた観があり、先進性を演出する域を出ていない印象だ。

■ダイハツの小さな「飛び道具」

ハイゼットカーゴはアトレーともにスマートキーを利用した「イージークローザー・両側パワースライドドア」をクラス初採用した。従来軽乗用車として設定していた「アトレーワゴン」を4ナンバー化して税制面での優遇も受けられるようになった
ハイゼットカーゴはアトレーともにスマートキーを利用した「イージークローザー・両側パワースライドドア」をクラス初採用した。従来軽乗用車として設定していた「アトレーワゴン」を4ナンバー化して税制面での優遇も受けられるようになった

 最後に地味ながら2021年12月に発表されたダイハツの軽自動車である新型ハイゼットカーゴ、ハイゼットトラック、アトレーには見逃せない装備が追加されていたことを取り上げる。ハイゼットカーゴ(アトレー)が商用軽自動車として電動スライドドアを初めて採用したのだ。

 今回アトレーは4ナンバー化され、商用モデルに変更されている。「商用車ならではの広い荷室空間と350kgの最大積載量(軽商用車の規準)を活用するため」とされているが、むろん税制面での優遇を念頭に入れた変更に違いない。

 ハイゼットカーゴとアトレーともに「イージークローザー・両側パワースライドドア」をクラス初採用(一部メーカーオプション)。

 さらに降車時に車室内のスイッチで予約しておけば、乗車時に電子カードキーを持ってクルマに近づくだけで、パワースライドドアが自動で解錠しオープンする「ウェルカムオープン機能」を与えている。

 両手がふさがっている時でも、キーを取り出すことなくスムーズに乗り込むことができ、細かい荷物の出し入れを頻繁に行う宅配便の業務員などの作業を助けられるはず(ドアの開閉スピードについては安全上ヒトの手作業に劣るかもしれないが)。

 元軽ワゴンのアトレーでは、キーを取り出すことなくドアの開閉やエンジン始動が可能な「キーフリーシステム&プッシュボタンスタート」も備える。

 軽FR車初のCVT採用や、予防安全機能スマートアシストの全グレードで車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKC(レーンキープコントロール)を採用する設定するなど、装備の充実は数多い。果たしてこれらの新装備を加えたライバルに対して、スズキがどのように対抗するかも注目だ。

 なお、「ハイゼットカーゴ」で用意していた後部に荷台を備えた「デッキバン」を「アトレー」にも新設定されたことも飛び道具として認定したい。

ワゴンとトラックを融合させたアトレーデッキバン。これも飛び道具として認定したい
ワゴンとトラックを融合させたアトレーデッキバン。これも飛び道具として認定したい
【画像ギャラリー】リモート駐車にデジタルミラー……便利? やりすぎ? 最近のクルマの『飛び道具』的装備(14枚)画像ギャラリー

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