いつまでも現役!? スバルがラリーで躍進できた「EJ20」という神秘とは

■熟成を重ねて戦闘力を高めるインプ&EJ20

2000年登場の2代目インプレッサ
2000年登場の2代目インプレッサ

 2000年8月インプレッサWRXがフルモデルチェンジしGD型にバトンタッチします。

 そして10月に登場するWRX STiバージョンには大型タービンと大容量インタークーラーが採用され、最大トルクが38.0kgmまで高められます。さらに2001年には最大トルクを39.2kgmまで引き上げ戦闘力を高めたスペックCを発表します。

 2002年11月には等長等爆エキゾーストマニホールドとシーケンシャルツインターボの導入によって最大トルクを40.2kgmまで引き上げます。

 じつはこの等長EXマニ+シーケンシャルターボシステムは4代目となるBP/BLレガシイに向けて開発されていたものを横取りする形でGD型3代目となるC型WRX STI一足早く導入してしまったのでした。

 このターボシステムは毎年熟成を進めていき、2004年のE型導入時にインタークーラーの容量アップで42.0kgm。2005年のF型導入時に43.0kgmまでトルクを高めていきます。

 レガシイは2003年5月に4代目にモデルチェンジします。この時レガシイのEJ20ターボにもツインスクロールターボが採用されます。

 あわせて等長エキゾーストマニホールド、樹脂製インテークマニホールドが採用されています。またエンジンンも、シリンダ―ブロックに高強度合金ブレードを鋳込んだセミクローズドデッキとすることで肉薄化と高剛性化を両立させています(280ps/35.0kgm)。

 レガシイはこのBP/BL型を以て、主力エンジンの座をEJ20ターボからEJ25ターボへとバトンタッチします。

 2007年、インプレッサWRXは4代目GRそれまでのセダンから5ドアハッチバックに変わります。WRCで勝つためのパッケージングとして開発され、WRXの開発には当時ワークスドライバー契約をしていたペター・ソルベルクも開発に関わっていました。

 ところが突然にWRC撤退発表を受け、GR型WRX STIは幻のWRCモデルとなってしまったのでした。

 エンジンもさらなる熟成を図って吸排気両方にAVCSをつけたデュアルAVCS、大径インスクロールターボ、鍛造ピストン、等長EXマニ、ECU変更などによって最高出力308ps/6400rpm、最大トルク43.0kgm/4400rpmを実現しました。

 2014年GV系へのフルモデルチェンジを機に、インプレッサWRX STIはSUBARU WRX STIに呼称が変わります。

■WRX STI TYPE RA-Rで「究極のボクサー」に

 2010年の年改からカタログやHPでインプレッサWRX STIはインプレッサを省略してWRX STIと呼ばれるようになります。

 GR系以降は基本的にエンジンに大きな変更はありません。

 STI(スバル・テクニカ・インターナショナル株式会社)のコンプリートチューニングカーとしてS207(2015年)、S208(2017年)、STI創立30周年記念コンプリートカーのWRX STI TYPE RA-R(2008年)には、EJ20ターボのチューニングをさらに進めたエンジンが搭載されています。328ps/7200rpm、最大トルク44.0kgm/3200-4800rpmを発揮します。

 1989年、初代レガシイに搭載された220馬力/27.5kgm(RS-R)に始まったEJ20の進化は、量産モデルでは308ps/43.0kgm、コンプリートモデルでは328ps/44.0kgmまで進化し、2020年まで製造されてその歴史にピリオドを打ったのでした。

【画像ギャラリー】WRCで旋風を巻き起こしたインプレッサの心臓部!! インプレッサとともに進化を重ねたEJ20を振り返る(17枚)画像ギャラリー

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