スバルといえば真っ先に浮かぶのは水平対向エンジンだろう。その中でも2リッターの水平対向4気筒のEJ20は、ターボを組み合わせることで高出力を発揮し、数々のモータースポーツシーンで活躍した名機といえるだろう。
レガシィとともに登場し、インプレッサとともに進化して出力を向上させていったこのエンジンの歴史を振り返ろう!
文/斎藤 聡、写真/SUBARU
■レガシィに搭載されてデビュー
EJ20型エンジンは、1989年から2020年にかけてスバルの主力エンジンとして様々な車種に搭載されながら、進化していったエンジンです。もっとも有名なのは、レガシイとインプレッサWRXに搭載されたターボエンジンでしょう。
ここではEJ20ターボにフォーカスしてエンジンの進化の様子と、搭載されていた特徴的なモデルについて紹介してみたいと思います。
EJ20型エンジンは1989年、レガシイに搭載されてデビューします。前身はスバル1000(1966年)に搭載されたEA51型で、アルミヘッド・アルミシリンダーブロックを持つ水平対向4気筒OHVでした。
このEA型はスバルFF1→レオーネへと進化しながら搭載されていき、1989年EJ型エンジンの登場とともに主力エンジンの座を譲ります。
EJ型も、アルミシリンダーヘッド&アルミシリンダーブロックを持った水平対向4気筒エンジンで、デビュー当初はSOHC16バルブ、DOHC16バルブ、それに水冷式インタークーラー付ターボ(シングルターボ)+DOHC16バルブが用意されていました。
排気量は1994cc。ボア×ストローク92.0mm×75.0mmのショートストロークエンジンです。
初代レガシイに搭載されたEJ20型ターボは最高出力220ps/6400rpm、最大トルク27.5kgm/4000rpmで、当初セダン5速MTのみの設定でした。
その後89年10月にワゴンにターボモデル(AT)を設定するのに合わせてカムプロフィールやターボサイズ、ECUを専用にディチューンしたGTグレートを追加しました。パワースペックは200ps/6000rpm、26.5kgm/3600rpmというものでした。
当時220馬力はクラストップのハイパワーエンジンで、これを実現するためにパワー特性も低回転域のトルクが乏しく高回転高出力タイプのエンジン特性でした。そんなわけでAT用には低中転域のトルクアップを図ったチューニングが施されていました。
1998年12月には競技用ベース車のRS-RAを発表。このモデルはグループA(WRC)車両のレギュレーションに向けたもので、搭載されていたエンジンはパワースペックこそ変わらないものの、手組みエンジンで、吸気ポート研磨、回転部分のバランス取りが施され、鍛造ピストンなどが組み込まれていました。
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