トヨタ衝撃のEV説明会から4カ月超 トヨタ以外の国産メーカーはいま何をしているのか?(日産・ホンダ編)

■F1ドライバーズチャンピオンを獲得したホンダは何してた?

 ホンダは2021年上半期に代表取締役が八郷氏から三部氏へと交代した。2021年下半期は三部カラーを発揮できたのか? それではホンダのニュースを見ていこう。評価は国沢光宏氏にお願いした。

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■グーグルと車載コネクテッドサービスで協力(2021/9/24)

 2021年9月24日、ホンダはグーグルと車載コネクテッドサービスで協力することを発表した。音声アシスタントやナビゲーション、車載用のアプリがこの提携によりグーグルから提供されることとなる。

Android Autoよりもさらに車載インフォテイメントと融合した、高機能なシステムになりそうだ
Android Autoよりもさらに車載インフォテイメントと融合した、高機能なシステムになりそうだ

●国沢氏の見解と評価…このニュースの重要度は「80点」

 これまでコネクテッドサービスは独自で立ち上げなければならなかった。トヨタが好例です。けれど今やマップはグーグルが当たり前になったのと同じく、独自で構築するシステムだと情報量も薄くなってしまう。コストだって莫大。

 そこでボルボなどはグーグルの共通サービスを採用し始めた。同じことをホンダもやる、ということ。少なくともコネクテッドサービスでほかのメーカーに後れを取る心配はなくなりました。

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■全方位安全運転支援システム「Honda SENSING 360」発表(2021/10/13)

 2021年10月13日、ホンダセンシング360が発表された。単眼カメラに5つのミリ波レーダーを組み合わせて全方位をカバーする。2022年に中国で発売される車両を皮切りに、2030年までに先進国で発売される全モデルへの展開を目指す。

●国沢氏の見解と評価…このニュースの重要度は「70点」

 システムの内容を見ると、同レベルのADASはすでにトヨタや日産などが実用化しており、目新しさはない。

 むしろ壁などで左右方向が見えない路地から道路に出る時の「前方交差車両警報」は、他社は危険を感知したら自動ブレーキをかけるが、ホンダの場合、警報だけしか出ないなど、まだ遅れている点も残っている。世界に先駆けてレベル3を実現したホンダだけに、ライバルを凌ぐスペックにしてほしかった。

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■中国向けホンダEVブランド「e:N」シリーズ投入を発表(2021/10/13)

 2021年10月13日、ホンダは「中国電動化戦略発表会」で、中国で発売予定のEVを2台、コンセプトEVを3台発表した。これらは「e:N」シリーズと名付けられている。

中国で発売されるホンダのEV「e:NP1」
中国で発売されるホンダのEV「e:NP1」

●国沢氏の見解と評価…このニュースの重要度は「70点」

 その後、トヨタが世界中を驚かせるほどの規模で電気自動車を発表したこともあり、すっかり忘れさられてしまった。ホンダの問題点は、同じようなボディしかなかったことと、中国市場だけの展開という点にある。

 トヨタは小型車からSUV、スポーツカー、ミニバンまで自動車ジャンルのすべてを網羅していた。「間もなく出す2車」は普通だし、コンセプトカー3車もデザインなど似通っていて驚きはなかった。

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■東風ホンダ、電気自動車専用工場を建設。2024年稼働を目指す(2022/1/6)

 ホンダは、2024年の稼働を目指し、中国の武漢市にEV専用工場を建設すると発表した。国沢氏の見解は?

●国沢氏の見解と評価…このニュースの重要度は「70点」

 ホンダのカーボンフリー戦略を考えたら、当然の流れだと思う。生産台数12万台ということだから、最初の一歩というレべル。ホンダの世界販売台数450万台のウチ、2030年代の中頃に300万台規模のEVを生産しなければならない。

 おそらく2024年時点での生産台数は世界30万台規模に留まっていると思う。2025年から毎年20万〜40万台規模で工場をEV生産に振り替えていかなければならない。

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■バッテリー研究開発会社アメリカのSESと共同開発契約を締結(2022/1/19)

 ホンダは、次世代バッテリーの選択肢を増やすための取り組みのひとつとして、EV用バッテリー研究開発会社の米SESとバッテリーの共同開発契約を締結。

●国沢氏の見解と評価…このニュースの重要度は「70点」

 この分野、今までホンダが一番苦手としてきた。ハイブリッド車の電池調達コストは、おそらくトヨタより圧倒的に高いと思う。

 だから、電池搭載量がトヨタや日産と比べて少ないのだ。今回のニュースはアメリカでの調達に関する内容。同じようなことを中国でもやっている。日本で売るEVの電池は中国製になるかもしれません。

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■自律移動するモビリティ「ホンダオートノマスワークビークル」発表(2022/1/21)

 ホンダは自律移動モビリティ「Honda AWV」を米イベントで展示した。アタッチメントやツールの追加で、さまざまな作業に活動できるモビリティとなっている。

●国沢氏の見解と評価…このニュースの重要度は「70点」

 トヨタの「eパレット」のホンダ版と考えればよかろう。屋根なしが話題になったが、そいつは本質とまったく関係ない。この手のニーズ、少なくないだろう。

 ただトヨタは「ウーブンシティ」という“実験場”を自社で作り走行環境を整えようとしているが、公道を使うことを前提としているホンダは許認可や使用制限と闘わなければならない。

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■オンラインストア「Honda ON」をオープン(2021/10/4)

 ホンダ車がネットで買えるオンラインストア「Honda ON」がオープン。トヨタKINTOと同じサブスクリプションサービスだ。

●国沢氏の見解と評価…このニュースの重要度は「40点」

 ここにきて欧米で増え始めている販売形態だが、当然ながら営業担当と顧客の関係は完全になくなってしまう。同じメーカーのクルマに乗り続けるという傾向が薄まっていく。トヨタのように販売店の強いメーカーからすればあまり好ましくないだろうが、ホンダのように弱ければ試す価値はあると思う。

 ただ個別対応や値引きといった柔軟なサービスが難しくなるため、日本で普及するか少しばかり疑問だ。

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国沢氏のホンダ 今後の期待値:60ポイント(100ポイント中)

 ホンダには新興国向けに開発した“買いやすい価格”のモデルを収入が伸び悩む日本でもぜひ売ってほしい。


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