スバルレガシィツーリングワゴンはなぜ「神話」を築けたのか

■2代目のヒットでその地位を確立

 大ヒットした次のクルマは難しい。

 その難題に果敢に挑んだのが、2代目のレガシイだった。初代BC/BD系に続き、2代目のBD/BG系は1993年10月にバトンを受けている。正常進化の形をとったが、商品としてのまとまりは素晴らしかったし、進化も分かりやすい。小型車枠にこだわりながら洗練度を高めた。

1993〜98年に生産された2代目レガシィ。正統進化を遂げ、このクラスでの優位性を決定づけた

 パワーユニットは伝統の水平対向4気筒でEJ20エンジンを搭載したが、その中身にはモデルチェンジと言えるほどの改良を施し、動力性能もフィーリングも向上させている。

 リーダーのRSとツーリングワゴンGT系はツインターボとし、2ステージ化することによって低回転域のトルク不足解消とレスポンス向上を図った。250ps/31.5kgmと、性能的にもワゴン最強だ。

 しかも4WDシステムは3種類を揃えている。

 初代に負けず劣らずの人気モデルとなり、ワゴンの代名詞となった。

 その後もレガシィは積極的に改良を行い、仲間を増やしていく。

 クロスオーバーカーの先駆けとなる「グランドワゴン」は「アウトバック」のご先祖だ。1996年6月にはエンジンを進化版のBOXER・MASTER-4にするとともにGT-Bはビルシュタイン製の倒立ダンパーを採用した。

1995年8月に登場したレガシィグランドワゴン(輸出名アウトバック)はクロスオーバー型SUVの嚆矢となった。北米で大ヒットし、スバルの経営の柱となってゆく

 レガシィはライバルを圧倒するメカニズムとクロスオーバー化によって魅力を広げ、神話を築いたのである。

 スバルは特別な魔法を使ったわけではない。レガシィが並み居る強力なライバルに勝ち続け、大ヒット製品となった最大の要因は、(時代の流れに乗った幸運はあれど)基本的には信念にも似た動力性能と安全性能の追求を繰り返し、それを叶えるべく積み上げた地道な開発努力の成果だといえる。

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

マツダ6、実は水面下で開発が続いていた!? 注目新車情報、グッズが当たるアンケートも展開「ベストカー4月26日号」

終売が報じられたマツダ6はこのまま終わるのか? 否!! 次期型は和製BMW3シリーズといえるような魅力度を増して帰ってくる!? 注目情報マシマシなベストカー4月26日号、発売中!