非常に迷った平成の怪物は3ロータリーエンジンのユーノスコスモ
続いては、“平成の怪物”なのだが非常に迷う。R32~34の第2世代スカイラインGT-Rや2007年に登場した日産GT-R。そしてレクサスLF-Aなど様々な名車が勢揃いしているからだ。
しかし、そんな中で強烈なインパクトを与えたクルマということで、“平成の怪物”はユーノスコスモの3ロータリーエンジン搭載車とした。
最近BEVに乗るようになり、モーター特有の圧倒的な低回転域からのスムーズな加速性能を味わうと、この感覚は以前味わったことがあると思っていた。
そうロータリーエンジンの特性をよくモーターのようなフィーリングと書かれることがあるが、まさにユーノスコスモに搭載されていた20B型3ロータリーエンジンに近い感覚なのだ。
3ロータリーエンジンはその圧倒的な速さもさることながら、高速走行すると燃料計が目に見えて減っていくという、自分が所有したR32型GT-Rでも味わえない規格外の現象を目の当たりにすることができた。
今後、3ロータリーエンジンを搭載したクルマなんて販売されることもないだろうということで、“平成の怪物”は3ロータリーエンジンを搭載したユーノスコスモに決定した。
ユーノスコスモは、バブル景気まっただ中の1990年に登場。全長4,815mm×全幅1,795mm×全高1,305mmというサイズの2+2の流麗なクーペだった。
搭載されているエンジンは最高出力280psを発生する20B型3ロータリーシーケンシャルターボと230psを発生する13B型2ロータリーシーケンシャルターボの2種類。
組み合わされるトランスミッションは4速ATのみで、駆動方式はFR(後輪駆動)となっている。
また、最上級グレードのタイプEにはCCSと呼ばれるGPSカーナビを標準装備したグレードがあったが、当時は利用できる衛星の数が少なかったため、東名高速を走行中にもかかわらず、太平洋を走行しているなんてこともあった。
RX-8以降ロータリーエンジンを搭載した市販車は途絶えており、3ロータリーエンジンを搭載するクルマは2度と発売されることはないので、ユーノスコスモを“平成の怪物”に相応しい。
現在、ユーノスコスモの中古車は約10台流通していて、価格帯は約158万~約358万円。そのうち、20Bエンジン搭載車は約310万~約324万円で、流通台数は約4台となっている。
令和の怪物は公道を走れるレーシングカーのGRヤリス!
そして、令和になってまだ4年しか経っていないが、“令和の怪物”はGRヤリスだ。マスタードライバー モリゾウ氏の「トヨタのスポーツカーを取り戻したい」という想いのもと、「モータースポーツ用の車両を市販化する」、という逆転の発想で開発されたマシン。
そのパフォーマンスの高さは公道を走れるレーシングカーだ。GRヤリスのことを、コンパクトカーに500万円は払えない。という声を聞くが、公道を走れるレーシングカーなら500万円はバーゲンプライスだ。
GRヤリスとの初コンタクトは筑波山のワインディングだった。最高出力272psを発生する1.6L直列3気筒ターボ+スポーツ4WDシステム“GR-FOUR”のカップリングは、ほぼ初ドライブに等しいワインディングでも思うがまま攻めることができ、ステアリングを握ってすぐに操る楽しさを味わえる。
このようなクルマはGRヤリスのほか見当たらない。だからGRヤリスは“令和の怪物”に相応しいマシンなのだ。2022年の東京オートサロンではそのGRヤリスをベースにフルチューンモデルであるGRMNヤリスが500台限定で販売された。
ノーマルのGRヤリスでも怪物なのだから、このGRMNヤリスのパフォーマンスの高さは想像も付かないし、もし運転することができたら間違いなくGRMNヤリスを“令和の怪物”としてしまうだろう。
現在、GRヤリスの中古車は約38台流通していて、平均価格は約500万円。価格帯は約259万~約552万円となっている。1.6Lターボエンジンを搭載したモデルの中古車は約370万円からとなっている。
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