■トラブルは多い? 少ない? 試乗車落ち中古車の納車後レポート
様々なオーナーに試乗されたクルマは、目立ったトラブルが発生することは多いのか、考えていこう。
現在、世界の名だたる自動車メーカーで製造されるクルマたちは、数千キロ程度を手荒く運転されたところで、致命的なダメージを受けることは、ほとんどないだろう。
試乗車はディーラーで管理されている車両だから、定期点検も欠かさず行い、そのタイミングも適正だ。エンジンやミッション、サスペンション等については、長期的に考えても「試乗車だから」というトラブルの心配はいらない。
営業マン時代、試乗車の販売も数多く行ってきた筆者の感覚では、試乗車落ちのクルマを販売した後のトラブルとして多いのが「ブレーキ(パッド)」と「タイヤ」関係だ。
急加速や急減速、そしてステアリングの据え切りが多く行われている可能性がある試乗車では、ブレーキパッドの減り(ローターの摩耗)と、タイヤ溝の減りが早い。
試乗車として使われていたのが長期間になれば、タイヤの偏摩耗などが起こりやすくなるので、購入時には入念に確認したいところ。直近の点検記録簿でブレーキパッドの厚さやタイヤの残り溝を確認し、さらに目視で消耗品の状態はおさえておきたい。
また、販社内の中古車センターを通さず、店舗独自で商品化することが多いのが試乗車だ。商品チェック(検品)が十分でない可能性は大いにある。
基本は現状渡し(必要な整備はするが)となる試乗車落ち中古車では、トラブルを避けるためにも、購入前の消耗品チェックと、内外装(特にシート)の状態チェックは必須だろう。
■ちっちゃいことは気にするな! 試乗車落ちで得するのはこんな人
割高なものも多く、状態チェックも十分ではない可能性がある試乗車落ちの中古車。筆者も一度購入したことがあるが、納車後から発生したダッシュボード奥からの異音に、半年ほど悩まされた。
個体の当たりはずれがあるのは、新車も同様だが、特に試乗車落ち中古車の場合は、細かなことを気にしないという、ある種の大らかさが必要となるだろう。
例えば、営業車として乗り倒すとか、運転に自信がないから新車よりも気が楽とか、試乗車独特の弱点を気にしない人には向いている選択肢だと思う。
逆に、「新車のちょっと古いやつ」程度に期待してしまうと、その期待には応えられないことの方が多いだろう。元試乗車とはいえ、中古車であることに変わりはない。
良い状態のクルマ(高年式で走行距離の短い状態)を購入できる試乗車落ちの中古車だが、新車の代替品になるという考え方はしないほうが良いと思う。あくまでも、中古車の中では状態のいい部類に入るということだ。
それでも、しばらくの間、手元に来ない新車よりも、即納の試乗車に大きな魅力を感じる時代となった。向き不向きはあるが、今ならば「買い」のクルマの一つとして、おすすめしたい。
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