昭和40年代男の「見栄」と「憧れ」と「男女の欲望」が交錯した懐かしのデートカー7選

■グレードも排気量も最上級であることが正義?

昭和40年代男の「見栄」と「憧れ」と「男女の欲望」が交錯した懐かしのデートカー7選
2代目ソアラを所有できるだけでもすごいはずなのに、そこからさらにヒエラルキーが存在する。酷な話だ

 車種選びが大事なことはいうまでもないが、グレードが何であるか(どのくらいのポジションに位置するのか)も同じくらい重要視された。

 メルセデスベンツSクラス(W/V126型)も560SELに需要が集中したし、初代セルシオにしても「一番上の全部付き」であるC仕様Fパッケージが最強だったのだ。グレードおよび排気量も最上級であることが正義だったのだ。

 そうなると、例えば「2.0GTツインターボ」より「3.0GTリミテッド」の方が格上という扱いになる。メーカーもそのあたりのユーザー心理を心得ていたのか、グレードが一目で分かるエンブレムを用意して、視覚的にもその違いを容易にしていた。

昭和40年代男の「見栄」と「憧れ」と「男女の欲望」が交錯した懐かしのデートカー7選
この年代のメルセデスベンツSクラスといえば最上位グレードである「560SEL」が売れに売れた時代だった

 「Limited」や「VIP」など、トップグレードのみに与えられたエンブレムは、興味がない人からすればバッチのひとつに過ぎない。しかし、一部のユーザーにとって、まさに富と力を誇示するうえで必須装備だったのかもしれない。

昭和40年代男の「見栄」と「憧れ」と「男女の欲望」が交錯した懐かしのデートカー7選
サンルーフやマルチビジョンAVシステム、デジタルメーター、さらに自動車電話などのハイクラスな装備に憧れたアラフィフ世代も多いだろう

 サンルーフとマルチビジョンAVシステム、デジタルメーター、さらに自動車電話や当時としては先進(&高級)アイテムだったカーナビが装備されていれば、もはやフルアーマーガンダム状態の無敵マシンとして、同乗する女子にも喜ばれたものだ。

■デートカーとして一世を風靡した国産車

 挙げればキリがないが「デートカー御三家」といえばこの3台だろう。

トヨタソアラ(Z20型)
・発売開始:1986年1月
・エンジン:直列6気筒DOHC、直列6気筒DOHCターボ、直列6気筒DOHCツインターボ
・排気量:1988cc、2954cc
・最高出力/最大トルク:105ps/15kgm、200ps/28kgm、240ps/35kgm
・ボディサイズ(全長×全幅×全高):4680×1695×1350mm、4680×1730×1340mm他
・新車の価格帯:237.2万円〜489.6万円
・中古車の平均価格:232.8万円

 初代モデルのイメージをキープしながらリファインした2代目ソアラ。世界で初めてスペースビジョンメーターを実用化したのもこのモデルだ。白洲次郎が開発陣に助言を送ったモデルとしても知られる。

昭和40年代男の「見栄」と「憧れ」と「男女の欲望」が交錯した懐かしのデートカー7選
デートカーとして確固たる地位を築いていた2代目ソアラ。トップグレードは500万円に届くほどの高級車だった

ホンダプレリュード(BA4型)
・発売開始:1987年4月
・エンジン:直列4気筒SOHC、直列4気筒DOHC
・排気量:1958cc
・最高出力/最大トルク:110ps/15.5kgm、140ps/17.8kgm他
・ボディサイズ(全長×全幅×全高):4460×1695×1300mm
・新車の価格帯:130.9万円〜236万円
・中古車の平均価格:121万円

 ソアラと同様に、先代モデルをリファインしたデザインの3代目プレリュード。市販車としては初となる4WSを装備したのもこのプレリュードだ。電動サンルーフの装備がデートカーとしても必須装備だった。

昭和40年代男の「見栄」と「憧れ」と「男女の欲望」が交錯した懐かしのデートカー7選
いまではすっかり見かける機会が減ってしまった3代目プレリュード。復活はあるのだろうか

日産シルビア(S13型)
・発売開始:1988年5月
・エンジン:直列4気筒DOHC、直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1809cc、1998cc
・最高出力/最大トルク:135ps/16.2kgm、175ps/23kgm、140ps/18.2kgm、205ps/28kgm
・ボディサイズ(全長×全幅×全高):4470×1690×1290mm
・新車の価格帯:152.6万円〜249.6万円
・中古車の平均価格:276.4万円

 当時の若者を中心に人気を博したS13型シルビア。ターボエンジンのK’s、NAエンジンを搭載したQ’sとJ’sの3グレード構成。前期型は1.8L、後期型は2.0Lエンジンを搭載。

昭和40年代男の「見栄」と「憧れ」と「男女の欲望」が交錯した懐かしのデートカー7選
硬派な走り屋からデートカーのようなライトユーザーまで、当時の若者の心を掴んだS13型シルビア

 他にもセリカGT-FOURやスープラ、フェアレディZ(Z32)、マークII 3兄弟、初代シーマなど。いずれもその時代を代表する高級車やスポーツカー、クーペモデルばかりだ。

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