ついに北米で新型アキュラインテグラが6月に発売される。マニュアルトランスミッションのモデルも用意され、意外と6MTモデルの人気が高い。
アメリカはオートマ文化圏のように感じるが、コンパクトカーを中心としたMTも人気があるようだ。スバルのWRXのように日本には導入されていないMTモデルがラインナップされるのもうなずける。
そんなアメリカでのMT車事情と、これから3ペダルMTはどうなっていくのかを自称MTフェチの安東弘樹氏がレポートする。
文/安東弘樹、写真/ホンダ、トヨタ
■新型のアキュラインテグラでMT車が売れている?
ベストカーWebでは、これまでMTの楽しさについて散々書いてきましたので、今さら何を書こうかと思いましたが、今回は新型インテグラのMT車がアメリカで売れている背景からMT車ならではの楽しさを紐解いてみようと思います。
まず、アメリカでアキュラインテグラのMTが売れている、という事実について、アメリカはAT文化でMTのクルマは少ないと思っている方が多いと思いますが、実は日本製を中心としたコンパクトカーのMTは結構、街で見かけます。
もちろん、古いクルマが中心ですが、アメリカでは日本より古い日本車が現役で走っていることが多く、そのなかにMTのクルマは多いのです。特に若い人が免許を取って初めて買う自分のクルマに日本のコンパクトカーを選ぶ場合が多く、そのうち、少なくない数がMT車だったりします。
■アメリカでMT車が売れている背景
2000年代の話ですが、坂の多いサンフランシスコで若い人が日本製のコンパクトカーのMT車をみごとに乗りこなしている光景を数多く目撃? しました。
当時でさえ日本ではほとんどMT車を見かけることはなかったので新鮮だったのを覚えています。あれ? アメリカと言えばAT車、というイメージがあったのでいい意味で裏切られたという印象でした。
確かにアメリカの自動車メーカーのクルマはAT車がほとんどでしたが、ヨーロッパや日本のコンパクトカーのベースグレードはMT車も多く、さらに若い人が「ガレージセール」などで購入する当時の10年落ちくらいの中古車は、その多くがMTであったのは容易に想像できます。
そういった背景から日本のドライバーよりもアメリカのドライバーのほうがMTに親和性があるのは間違いありません。ですので、アキュラという高級ブランドでもスポーツ色の強いモデルには、以前からMTの設定が存在し続けているのも納得です。
さらに日本ではMTのクルマに乗っていると、若干、「変わり者」扱いを受け、「MTなんて疲れるだけなのに何で乗っているの? 」などと怪訝な顔をされることさえあります。
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