スメルハラスメント(スメハラ)という言葉が話題になっている。これは体臭や口臭などの臭いによって、周囲に不快感を与える行為のことだ。しかし、臭いというのは、自分では気づきにくいことがやっかいなところだ。
クルマも同様で、本人にとっては気にならない車内の臭いも、他人にとっては耐えられないような悪臭と感じてしまうこともある。
車内の臭いと言われるとタバコ臭を連想するかもしれないが、もっとヤバいのが「加齢臭」なのだ。加齢臭は想像以上に強烈で、車内にも染み付きやすい。加齢臭にタバコや芳香剤の臭いがミックスされたらもう大変!! そんな臭い車内に部下を乗せたら「こりゃ完全にスメハラ……」なんて心の中で思われ(笑われ)かねない。
では、どうしたら加齢臭を撃退できるのか? 今回は、実に悩ましい加齢臭の撃退法をご紹介しよう。
文/室井 圭、写真/写真AC
【画像ギャラリー】クサッ!! と言われないためのクルマ&体メンテ術をもっと見る(9枚)画像ギャラリー体から染み出すアブラが加齢臭を放つ!?
加齢臭は、加齢に伴って生じる臭いで、オヤジ臭などと揶揄されることもある。その臭いは、時に枯草や古本の臭い、ひどい時は腐ったチーズに例えられることもある。
この加齢臭の原因は体から染み出る「アブラ」だ。歳をとると皮脂の中に「パルミトレイン酸」というアブラの一種が多く含まれるようになってくる。これが酸化することでノネナールという加齢臭の原因物質が発生して悪臭を放つというしくみだ。
一般的に、加齢臭が強烈になってくるのは40歳以降と言われているが、実は、加齢臭はオヤジだけのものではない。「まだ加齢臭なんてしてないはず」なんて油断は禁物。加齢臭は女性や若い男性でも発生することもある。
特にストレスはノネナールを大量に発生させることがわかっている。そのため、運転中にイライラしやすい人は、若くても、女性でも加齢臭を大量に発している可能性大だ。
加齢臭と並んで臭いのは「ミドル脂臭」。こちらは、古い油のようなニオイと例えられることが多く、男性の場合は30代あたりから発生しやすくなる。原因は加齢臭と同じ皮脂で、皮脂が汗や菌と混じり合うことで発生する。
加齢臭、ミドル脂臭がブレンドされた車内はまさに悪臭天国! 湿気が多くなる時期はカビ臭などと相まって、さらにひどい臭いになる恐れがあるのだ。これは早急な対策が必要だ!
車内の加齢臭撃退術
臭いの発生を抑えるには、臭いが発生しやすい体の部位が密着する部分、皮脂が付きやすい部分をこまめに掃除をすることが第一。加齢臭が発生しやすいのは、耳の後ろ、胸や背中、脇の下、ミドル脂臭は後頭部や首の後ろだ。ということで、シートの背もたれ、ヘッドレスト、シートベルトはもっとも臭いが付きやすい場所と言える。
シートやヘッドレスト、シートベルトは中性洗剤を10~20倍くらいに水に浸した雑巾やウエスを固く絞ってから拭いて、乾拭きで仕上げを。また、水分が残っていると、雑菌などが繁殖して臭いを悪化させる恐れがあるため、十分に水分を拭き取って乾燥させることは必須だ。
本革の場合も同様に拭き掃除をしてもOKだが、強く擦りすぎると傷が付いてしまうので注意しよう。
また、掃除をしても臭いが除去できない場合は、加齢臭除去専用の消臭剤を使用する。ただし、芳香剤の使用は避けることが無難。臭いがブレンドされてしまい、さらにひどい臭いを発するようになる恐れがあるからだ。
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