一般ユーザーだけじゃなく、自工会やJAFまでがモノ申す!! なぜ日本の自動車にかかわる税はこんなに高いのか!!

■自動車環境性能割

 自動車環境性能割は、自動車を取得した時に納める税金だ。要は自動車取得税の後継に相当する。

 この経緯も酷い。もともと自動車取得税は、消費税率が10%に高まった段階で、廃止することになっていた。自動車取得税も自動車重量税と同じく道路特定財源として1968年に創設され、1989年には消費税の徴収も開始されたから、「二重課税」と問題視されていた。

 そこで消費税率が従来の8%から10%に切り上げられた時点で、自動車取得税を廃止することになった。

 ところが実際には、消費税率が10%に高まると、自動車取得税の廃止と併せて自動車環境性能割が導入された。その内容は、エコカー減税を実施した自動車取得税にソックリだ。これは屁理屈で、二重課税も依然として続いている。

 要は「消費税率が10%に高まった時点で、自動車取得税を廃止する」という話は、嘘だったことになる。一般財源に変更されたため、名称を従来の自動車取得税から自動車環境性能割に切り替えただけだ。

■ガソリン税など

ガソリンや軽油などの燃料には二重三重の税金がかけられている(phpetrunina14@AdobeStock)
ガソリンや軽油などの燃料には二重三重の税金がかけられている(phpetrunina14@AdobeStock)

 ガソリンや軽油などの燃料にも税金が課せられ、この中にも元・道路特定財源が含まれる。

 例えばガソリンには、ガソリン税(揮発油税・地方揮発油税)、石油石炭税+温暖化対策税、消費税が入っている。

 この内、ガソリン税の53.8円、石油石炭税+温暖化対策税の2.8円は、ガソリンの本体価格に左右されない。常に徴収されている。

 従ってガソリン価格が1L当たり130円まで下がった場合、ガソリンの本体価格は、わずか61.58円に過ぎない。残りの68.42円は、ガソリン税、石油石炭税+温暖化対策税、諸費税で占められる。

 ちなみに軽油価格が1L当たり130円の場合は、軽油の本体価格は86.2円だ。つまり燃料の本体価格は、軽油よりもガソリンのほうが安い。しかしガソリンは税額が高いために、小売価格は逆転して、軽油のほうが安く販売されている。

※      ※      ※

 以上のように自動車関連の税金は問題だらけで、突っ込みどころが満載だ。早急に行うべきは、困っている人たちをさらに苦しめる13年を経過した増税を廃止することだ。

 そのあとで、自動車関連の税金をすべて見直す必要がある。「自動車を持っている人は富裕層で、効率的な移動によってさらに高い利益を得ているから、多額の税金を徴収する」という50年以上前のコンセプトを捨て去らねばならない。

【画像ギャラリー】13年が経過すると重課の対象に!! 2008年3月以前に登場した国産車たち(21枚)画像ギャラリー

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