ついに718シリーズがすべてEV化へ!! ポルシェのEV戦略は成功するのか!?

■タイカンとは違う考え方の718シリーズの電動化

 さて、BEVのエネルギーである電気とはガソリンとは違ってさまざまな問題があり、安全基準がある。どこかの誰かがエンジンをモーターに置き換えれば簡単! のような発言も聞かれたが、実際はそれほど簡単ではない。しかも今ポルシェが遂行している高性能BEVともなればハードルは非常に高い。

 ではこのケイマンGT4eパフォーマンスはどんな走りを見せるのだろう? 718ケイマンがベースモデルなのだからタイカンのように一からBEVとして開発したモデルではなく、あくまでコンバートEVのようにガソリンモデルをBEVに置き換えているわけだ。

ポルシェ 718ケイマンGT4(ガソリンエンジンモデル)
ポルシェ 718ケイマンGT4(ガソリンエンジンモデル)

 これほどのパワーを絞り出すのだからバッテリー容量もそれなりに必要。おそらくガソリンタンクのあるフロントとリアラゲッジにもバッテリーを搭載し、もしかすると床下にも敷き詰められているかもしれない。

 問題は車重でタイカン ターボSは2330kg。もしケイマンGT4eパフォーマンスが2000kg前後の車重なら胸躍る! その走りはすさまじいものになるだろう。BEVの魅力はアクセルレスポンス。ほぼデジタルでドライバーの右足と連動したコントルールが可能だ。

 最近のガソリン車はほとんどが電子スロットルでコントロールされているから、いかに我々ジャーナリストがこのクルマはピックアップが素晴らしい! と言ったところでBEVの比ではない。

 特にガソリン車も最近では環境面からマルチシリンダーを敬遠する傾向にあり、1爆発行程(4サイクル)に2回のクランクシャフトを回転させる内燃機関とは質も量も異なるのだ。

 ただし、だからといって内燃機関はダメと言っているのではない。内燃機関のアクセルコントロールには予知、予測というインテリジェンスが必要ななのだから、人の想像力をたくましくしてくれる。さらに音や振動、そして匂いはBEVで体験することはない。

 つまり、ハンドリングだけをとればケイマンGT4eパフォーマンスの走りは素晴らしいモノだろう。なんといってもポルシェが味付けするのだから。

 デジタルなアクセルコントロールと前後協調のトルクベクタリングや自在なプログラミングによってスリップコントロールも可能になるはず。重量がもたらす慣性との闘いを、逆に楽しむ領域に昇華させている予感がするのだ。

■ポルシェもBEVメーカーになる!? ポルシェが狙うこれからの展望

 さて、ではポルシェがBEVメーカーになっていくのだろうか? ボクはなっていかないと思う。

 BEVオンリーにはならないがxEVメーカーにはなっていくものと思われる。BEVのBはバッテリーで純EVのこと。xEVのxはBEV以外にハイブリッド、プラグインハイブリッド、燃料電池車を含めたEVの意。そう電動化であり必ずしもBEVオンリーではない。

 ポルシェは2030年に新車販売の80%を電動化するとしているが、これはxEVのことなのである。ポルシェの世界販売台数は約30万台で全世界シェアはわずか0.3%程度。非常に利益率の高いメーカーだ。

 2025年には約50%がxEVとなりその大部分をBEVが占めるとされていて、残りはプラグインハイブリッド。今後マカンなどのSUVもBEV化されていくだろう。それでも2025年50%→2030年20%の内燃機関が元気に走り回っているはず。

 30万台という生産規模だけに、電動化においてもこのような思い切ったストラテジーが立てられるわけで、ほかの大メーカーとは立ち位置が異なる。テスラからタイカンに乗り換えるセレブが増えていると聞く。ポルシェのEV戦略は軌道に乗ってきているのではないだろうか。

【画像ギャラリー】着々と電動化が進むポルシェ!! EVスポーツ「タイカン」&ガソリンエンジンの集大成「718ケイマンGT4」(25枚)画像ギャラリー

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