■確かに標準装備されるドラレコは存在するが……
そして、今回のテーマであるドラレコだが、これに関しては圧倒的に後付けで市場が形成されているのは何となく理解できると思う。
実際、安全や機能面なども考慮すると「ドライブレコーダーという名称」で標準装備しているクルマは筆者の知るかぎりではヒョンデのアイオニック5(正確にはビルトインドラレコ、という名称)くらいだ。
トヨタのハリアーはある意味先駆け的存在ではあったが「録画機能付きデジタルインナーミラー」という名称だし、BMW3シリーズなどは「パーキングアシストプラス」機能に搭載されているカメラをドラレコとして活用できるものだ。
この機能に関してはサブスク的な使い方もできるので。その点でも注目されていた記憶がある。そしてテスラに関してもグローバルで見ると標準搭載されるカメラを活用し、周囲の状況や事故時の記録ができる「ダッシュカム・セントリーモード」を設定している。
ただ、これらの商品の最大の弱点は解像度などの基本ユニットの大幅なレベルアップが期待できない点だ。部分的な画質の向上やバグなどの修正は不定期のアップデートで対応できるが、基本的な画素数などは固定されたままだ。
ちなみにハリアーはフロントで120万画素、リアで51万画素、画角に関しても昨今の市販ドラレコには敵わない。
■ドラレコは圧倒的に後付け優位
ここまで書いたようにドラレコに関しては圧倒的に後付けが優位だ。電子機器の業界団体であるJEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)は生産や輸出入、民生用電子機器などの出荷データを公表しているが、そのなかでもドラレコに関しては2016年度からは単体で発表していることからも成長著しい市場であることがわかる。
ドラレコに関しては読者の方もよくご存じのとおり、毎年新製品が発表される。画素数や画角の向上、夜間におけるナンバー認識だけではなく、車両盗難やいたずらに対しての監視機能やなかにはWi-Fi機能の搭載によってスマホとの連携やクラウドに動画&静止画まで保存できるなど、多彩である。
従来までの「万が一の事故の際の証拠能力」という側面だけでなく、現在はトータルで自分の身を守るデバイスという新しい使い方にシフトしてきたと言えるだろう。昨今は特に「あおり運転」に対してカロッツェリアが後方車両の接近を検知&自動録画するドラレコを発売するなど、もはや単一機能ではないハイテクデバイスになってきているわけだ。
実際、休日のカー用品店はまだまだ盛況だ。特に数年前から前述した「あおり運転」の問題がクローズアップされてから、平日運転する奥様なども一緒にファミリーの来客も増えていると、カー用品店の担当者から話を聞くことも多い。
■ポイントは自分のニーズをしっかり把握すること
今回の調査から見えてきたことは、まだまだドラレコの機能や使い方などには認識に差があるということだろう。
筆者自らの自爆発言になるが、過去ECサイトで格安ドラレコをテスト用に同じモデルを3台購入してテストしたことがある。ネットにはスペックを声高に強調して「コスパ抜群!」をアピールしている商品もまだまだ多い。
そして、その購入したドラレコは最終的に3台とも短期間で「壊れた!」。まさに「安物買いの銭失い」である。当たり前の話だが、自分の身を守るセーフティデバイスとしての側面を持つようになったドラレコだからこそ、信頼できるメーカーや単純にスペックや価格の安さに踊らされないようにしたい。
自分のクルマの駐車場が戸建てで外から丸見えの場合であれば、駐車監視機能はマストだろうし、普段使いでスーパーの駐車場に停める機会が多ければ衝撃感知センサーが強化されているものが欲しくなる。つまるところ、自分の生活パターンに合った機能を強化する方向で選べばいい。
【画像ギャラリー】つけてもつけなくてもつきまとう「後悔」もある。悩ましいオプション品あれこれ(9枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方