世界の紛争地で日本製品が大活躍!! 激動の国際情勢で日本が出来ること、必要なもの

世界の紛争地で日本製品が大活躍!! 激動の国際情勢で日本が出来ること、必要なもの

 2022年6月13~17日にかけて、世界最大級の防衛・安全保障展示会「ユーロサトリ2022」がフランス・パリで開催されました。本稿ではそのユーロサトリ2022を取材して「世界の安全保障関係者から、いま日本製のトヨタ、コマツ、義肢が必要だ、と言われました」と語る、元陸上自衛隊員の安全保障ジャーナリスト、照井資規氏にレポートをお願いしました。

文、写真/照井資規(元陸上自衛官)、AdobeStock(@aerogondo)

本稿は「「壊れない」だけじゃない!! 世界の紛争地で日本車と日本製品が活躍する理由」の続編となります

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ロシアによるウクライナ侵攻の今後の回答

 2022年6月にパリで実施された航空陸上防衛国際展示会「Eurosatory(ユーロサトリ)2022」では、5日間の開催期間中に100以上の国際会議が開かれ、200 人を超す講演者に700人以上のジャーナリストが世界中から集まり、ビジネスミーティングなどでも活発な議論が交わされた。

 実際に国土で戦闘が行われて、隣国と国境を境に陸で繋がっているヨーロッパ諸国の侵略に対する意識は、日本人ではなかなか想像が及ばない。ゆえに、兵器や戦争についての変化もわたしの予想をはるかに超えて速いものだった。特にロシア・ウクライナ戦争は、世界的な疫病の蔓延に続いての戦争であるから、時計の針の進みはますます速まっていると感じた。

 今回のユーロサトリ2022において、ロシアの(国家としての)出展はなかったが、これまで何度かロシアは出展経験がある。ロシアから見ればウクライナがNATOに加盟すれば(地図上、西側諸国に対して)ベラルーシが突出することになり、首都モスクワが直接攻撃の脅威に曝される可能性が高まる。ロシアにとってこれは国土防衛の戦闘であり、早期の戦争終結は望めず、5~6年はかかる長い戦いになる見通しだ。

日本はいまや安全保障の最前線

 徴兵制の国にとって「軍事演習」とは「戦闘予行」の面が大きい。普段は軍人ではない兵士に動員をかけ、命令どおりに行動できるようにし、作戦上の問題点を洗い出すために行われる。演習が終了したあとは、企図を秘匿するために隠れて行動開始にむけて準備を始める。

 つまり「軍事演習」が行われている場所とは、将来攻め込まれる可能性がある場所であり、ロシアのウクライナへの侵攻はこの通りに行われた。ロシアの軍事演習は(北方領土の)択捉島と国後島でも行われており、日本はいまや世界の安全保障の最前線である。

 ロシアによる侵攻の最終目的は、かつての東西ドイツの軍事境界線のラインとまではいかないまでも、飛び地となったカリーニングラード州の掌握を確実にし、最低でもバルト海から黒海までのラインの確保、理想的にはボスポラス海峡の通過に頼らずに地中海へ出られるギリシャまでの進出を狙うと見られる。

 そのため、「主戦場はポーランドからルーマニアにかけてになる」と予測されていた。こうした事情もあって、ユーロサトリ2022において特に展示に力を入れていたのがトルコだ。ロシアはシリアを同盟国としてトルコに圧力をかけてくるおそれがあるからだ。

 ロシア侵攻の今後については、ウクライナ国内だけでは考察の範囲が狭すぎる。西はポーランドからルーマニアに及ぶ、バルト海から地中海を結ぶライン、東は北海道の十勝地方が戦場となることが伺えた。

 戦闘で実証された兵器が、北極海航路を通じてアフリカ大陸に売られていくであろう本戦争の目的が垣間見えた。核兵器は半径1kmの範囲しか破壊しない戦術核兵器(中性子爆弾)となり、精密誘導技術、迎撃困難な極超音速ミサイル技術の進歩により「使える核兵器」になった。以前の戦争は「面」で領土を掌握していたが、道路、海岸線などの「線」と政経中枢都市や港湾などの「点」だけを掌握すれば、他は戦術核兵器によって脅すことで掌握が可能となった。

 つまりこれは、より少ない戦力で敵国を占領出来るようになったということだ。

 こうして考えればロシア軍による損害はまだ少量と言え、戦術核兵器の使用と併せての侵略の最終目的について考察しなければ、本質が見えてこない展示会でもあった。

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