世界の紛争地で日本製品が大活躍!! 激動の国際情勢で日本が出来ること、必要なもの

日本はこれからどうなるのかの回答

 日本はこれからヨーロッパと分断され、孤立するおそれがある。地球温暖化により北極海航路を1年中通れるようになった。中国がロシアを支援すれば、中国は巨大市場であるアフリカ大陸へ最短距離で進出できる。また、一帯一路の海ルートは対立する国も多く、海軍力的には向こう3年は劣勢であろう。

 北極海航路の出口となるフィンランドとスウェーデンの2カ国が急ぎNATOへの加盟申請をしたのはこうした事情による。

 また北欧2カ国の加盟について難色を示していたトルコが、一転支持に回り、大きく動き出した。情勢を左右する鍵となるのがインドの動向だ。インドは旧ソ連製の兵器体系であるが、国産兵器の売り込みにも熱心であった。

北極海航路が1年中使えることになる影響(照井氏作成)
北極海航路が1年中使えることになる影響(照井氏作成)

 上記図のとおり、ロシア、中国、インドが連携すると、日本はヨーロッパ、中東から切り離されて孤立してしまう。北極海航路の東の出発口は北海道であり、西の到着口はカリーニングラード州である。釧路港より以北で利便性のある不凍港は北極海航路にはないため、日本もフィンランドとスウェーデン並に国土防衛に真剣に取り組まなければならない。

日本に期待するものの回答

「Eurosatory2022」では39カ国から国設パビリオンが設置され、日本も出展していた。出展国・会社は世界63か国から1726に及び、その73%がヨーロッパである。アフリカ大陸からはわずかに7%であったが、制服軍人、特に高官はアフリカが目立った。アフリカ大陸は有望な兵器市場であることが伺えた。

ユーロサトリ2022における日本ブース。「日の丸」はどこにも掲げられていなかった
ユーロサトリ2022における日本ブース。「日の丸」はどこにも掲げられていなかった
ユーロサトリ2022の会場図と日本ブースの位置(照井氏作成)
ユーロサトリ2022の会場図と日本ブースの位置(照井氏作成)

 日本パビリオンは、メイン会場から離れた小さな会場のさらに出口付近、フランス陸軍衛生部の野外治療施設展示ブースの隣に開設されていた。今回から電通が委託を受けて運営することになったが、日本パビリオンに国旗の掲示はなく、看板には「ATLA防衛装備庁」とだけ表記されていた。

「ATLA」とは「Acquisition, Technology & Logistics Agency」のことだが、近くに寄らなければどこの国の展示かすら判らなかった。日の丸が掲示されていないのだから「防衛装備庁」が日本語で漢字とも認識できなかったであろう。

 展示されていたのはフランス企業との共同開発による機雷探知用海中ドローン、車輌搭載型の沿岸監視レーダーなどだ。

 海外からの評価は、長短あった。日本は戦争をしていない国だから、優れた製品としての武器を開発することはできず、そのいっぽうで注目されていたのは個々の技術や部品だ。特に半導体にGaAs(ガリウムヒ素)やGaN(窒化ガリウム)を用いる技術は、これまでのSi(シリコン)よりもガンマ線や中性子線による放射線損傷に強いことから、戦術核兵器に対抗する装備開発への期待が寄せられていた。

 しかし、共同開発や部品では大きな収益にはならない。このままでは日本は「技術力があって治安はいいが(安全保障関連技術においては)発展途上国」に成り下がるであろう。経済力なくして国土防衛はとてもできるものではないから、海外に「製品」を売り、収益を上げなければならない。

 一方で、たとえば韓国は、メイン会場に国旗を掲げて出展しており、ウォン安を強みに戦車や自走砲の売り込みに熱心だった。北朝鮮が装備している旧ソ連系の兵器に対抗するために開発された兵器は、ロシアとの戦いにも役に立つ「敵の敵は味方」商法と言える。

 会場で最も熱心だったのは先述のトルコであり、プレスセンターの目の前にパビリオンを開設していた。その隣がイタリアで韓国パビリオンはイタリアに面していた。

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