サクラ& eKクロスEV登場で考える「コストパフォーマンスのよさで売れたクルマたち」

■SUV

2000年に登場した初代エクストレイル。2001年には最高出力280psの直4ターボSR20VETエンジンを搭載、高性能なところも見せつけた
2000年に登場した初代エクストレイル。2001年には最高出力280psの直4ターボSR20VETエンジンを搭載、高性能なところも見せつけた

●初代エクストレイル

 2000年登場の初代エクストレイルは「ガシガシ使えるミドルSUV」というコンセプトで開発されたモデルである。

 初代エクストレイルはコンセプトに従って現行エクストレイルにも通じる撥水シートや、ラゲッジスペースには外して水洗いできるウォッシャブルラゲッジボードを装備するなど、SUVらしい楽しい雰囲気に溢れていた。

 さらに価格はコンセプトに「4WDで200万円を切る」という目標があったこともあり、2LNAエンジンを搭載したベーシックグレードのSでFFが185万円、4WDが200万円に抑えられた。結果、エクストレイルは世界中で堅調に売れる国際戦略車に成長し、当時リバイバルプランが行われていた日産の復活に大きく貢献した。

■ミニバン

1994年にデビューした初代オデッセイ。1995年に12万5559台の販売台数を記録し、乗用車ベースのミニバンという新ジャンルを確立した
1994年にデビューした初代オデッセイ。1995年に12万5559台の販売台数を記録し、乗用車ベースのミニバンという新ジャンルを確立した

●初代オデッセイ

 日本車初の乗用車ベースのミニバンとなる初代オデッセイは1994年に登場した。5代目アコードをベースとした初代オデッセイは生産工場への投資を抑えるため、全高を極端には上げられない、スライドドアにできないという不利もあったが、充分なスペースを備えていたのに加え、このことが乗用車的な雰囲気につながったという幸運もあった。

 また、価格は標準的なSグレードのFF車で205万5000円と、初代オデッセイと同じ2.2Lエンジンを搭載した当時のアコードよりも安いほどだった。成功したホンダ車に共通する「リーズナブルな価格」も備えていた初代オデッセイは、今思うとそれほど出来のいいモデルではなかったが大ヒットし、当時ピンチに陥っていたホンダをCR-Vとステップワゴンの初代モデルとともに救う存在となった。

■スポーツモデル

2003年6月に発売された初代スイフトスポーツ。JWRC参戦で鍛えたノウハウをふんだんにつぎ込んで開発されたコンプリートマシン
2003年6月に発売された初代スイフトスポーツ。JWRC参戦で鍛えたノウハウをふんだんにつぎ込んで開発されたコンプリートマシン

●歴代スイフトスポーツ

 スポーツモデルはそう売れる物でないだけに、価格が「すごく安い」と感じるモデルはないが、スイフトスポーツだけは別格だ。

 スイフトスポーツの歴代モデルの価格は、軽自動車ベースだけど1.5LDOHCを搭載し、レカロシートも付いていた初代モデルが119万円、全面的に小型車となり1.6LDOHCを搭載した2代目モデルが156万4500円、正常進化した3代目モデルが168万円、軽量化されて1.4Lターボを搭載し、自動ブレーキ&運転支援システムも付く現行型4代目モデルが201万7400円(各々MT車)と、歴代普通のコンパクトカーかと思うほど激安だ。

 もちろん、スイフトスポーツの走行性能は歴代定評あるものなのに加え、オプションカラーとなってもよさそうなイメージカラーのイエローも追加料金なしで選択でき、アフターパーツも多数揃うスイフトスポーツは日本の宝と言わざるを得ない。

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