21インチって……自転車かよ! 新型クラウンまで採用した大径ホイールの功罪

■クラウンの乗り味に注目が集まる!

 近年では、軽自動車でも15インチ、高級車や高性能車でなくても16インチや17インチホイールが当たり前になった。ホイールを大径化すると同時に、組み合わされるタイヤも大きくなって、なおかつ低扁平化される。

 そもそもタイヤは荷重を支え、駆動力や制動力を路面に伝達し、方向を変えたり維持したりするほか、路面からの衝撃を緩和するといった役割を持つパーツだが、これがホイールの大径化に伴って低扁平化されることで走りに大きなメリットをもたらす。

大径が当たり前になりすぎて、軽自動車が15インチホイールを履いていてもそれほど気にならなくなってきた
大径が当たり前になりすぎて、軽自動車が15インチホイールを履いていてもそれほど気にならなくなってきた

 また、ホイールの大径化によって外形が大きいブレーキシステムの搭載も可能となった。ブレーキローターとキャリパーが大きくなればブレーキの熱容量が増大するので、高い制動力を発揮。低扁平化で接地面が拡大して操舵に対するレスポンスがよくなったり、抵抗が増大することでカーブや制動時のグリップが高まることによる相乗効果が、安定性の向上をもたらし大きな安心感を提供するわけだ。

 ただし、ホイールの大径化はいいことばかりではない。操舵のレスポンスがよくなる一方で、状況によってシビアに感じることもあるし、なによりバネ下重量の増加とサイドウォールが固くなることで乗り心地が悪化する傾向にある。

 実際、同一車種で18インチと17インチがあった場合、後者のほうが乗り心地に優れているというケースはよくある。新型クラウンでは、大径ホイールを装着してもしなやかな動き、目線のぶれないフラット感と振動の少ない質の高い乗り心地を追求しているようなので、その乗り味には大いに期待したいところだ。

 インチアップがドレスアップにおける常套手段であることからも、ホイールの大径化がアグレッシブでスポーティなイメージがプラスできるのは、自動車メーカーの車両開発においても至極当然のことになったようだ。

 大径ホイールに組み合わされる低扁平タイヤは乗り心地が悪いとか、路面の凹凸に対して敏感だとか、リプレイスする際にもコストがかかるというデメリットがあったが、ある程度は技術の進化でカバーされてきた。

 走行パフォーマンスアップを実現し、なおかつカッコいいルックスが得られるなら、アフターパーツのカスタマイズで大径ホイールの装着にこだわるってみるのも、クルマ好きの正しい姿かもしれない。

※編集部注:ドレスアップカーでよく見る過度に扁平率が低いタイヤは、車道と歩道の境にある段差やコンビニなどの縁石に強く当てると、ホイールのリムを破損しやすいなど問題もある(引っ張りタイヤも同様)。アフターパーツを選ぶ際には、注意をしていただきたい。

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