■日産 スカイラインGT-R(R32型)
一方、自主規制の280psながらツインターボエンジンを搭載したモデルとして記憶に残るのがスカイラインGT-R(R32型)だ。2.6L直列6気筒ツインターボエンジン(RB26DETT)は強烈なトルクを発生し、4WDシステムのアテーサE-TSによってそのパワーをしっかりと路面に伝える。
筆者はこのモデルでも当時のN-1耐久レースで十勝24hを含め幾度となくステアリングを握った。
ただし、筑波サーキットの最終コーナーのようなRが長く続く回り込んだコーナーではアンダーステアーが強かったことが記憶に残っている。そのハンドリング特性もその後のR34型ではかなり解消され、発表試乗会が催されたオートポリスではまるでドリフトマシンだった。
■トヨタ スープラ(A80型)
そして忘れてならないのが平成5年(1993年)にフルモデルチェンジしたスープラ(A80型)だろう。スポーティなロングノーズ&ショートデッキスタイルの3ドアファストバッククーペに変身。そのボンネット下には3L直列6気筒ツインターボエンジン(2JZ-GTE型)が収められていた。
なんといってもFRモデルで280psだからワクワク感満載! このパワーだからアクセルでもクルマの向きを変えられるほどファンtoドライブなハンドリングも併せ持ち、かといってサスペンションによるメカニカルグリップもしっかりとしていてデートカーにもなるし、楽しさいっぱいのクルマだった。
■マツダ(アンフィニ)RX-7(FD型)
さて、マツダのロータリーエンジンからも目が離せない。平成3年(1991年)に登場したアンフィニRX-7(FD型)だ。
FD型は3代目となるが、13Bロータリーエンジンをツインターボ化して255psを発生。レッドゾーンを飛び越してもどこまでも回りそうな、まるで電気モーターのようにスムーズに回る高回転域が魅力的。
13Bツインターボはマイナーチェンジを重ねるごとに進化して平成11年(1999年)にはついに280psを発生していた。ロータリーエンジンはコンパクトで低く搭載できるからRX-7のフロントノーズは低くデザインでき、マツダのデザイン力がいかんなく発揮された魅力的なエクステリアだった。
■三菱 ランサーエボリューションVI(トミ・マキネン・エディション)
さて、最後は非常に惜しまれながら生産を終了した三菱自動車のランサーエボリューション(以下ランエボと略す)だ。
初代ランエボは平成4年(1992年)に登場し、平成28年(2016年)の販売終了までに4種類の車体構造(プラットフォーム)に進化している。そのなかでも個人的にとても印象に残っているモデルが平成12年(2000年)にリリースされたランエボVI トミ・マキネン・エディションだ。
当時、三菱のWRCワークスドライバーだったトミ・マキネンの4年連続ドライバーズチャンピオン獲得を記念した特別仕様車。車高は従来モデルから10mmダウン。つまり、ターマックに特化したサスペンション。
もともとランエボはFFベースのフロント横置きエンジンの4WDとは思えないほどアクセルワークとステアリング操作で思うようにクルマの向きを変えられるハンドリングが魅力だったが、このトミ・マキネン・エディションはより一層ステアリングアクションに機敏に反応するハンドリングが印象的だった。
2Lの直列4気筒ターボエンジン(4G63型)に新開発のハイレスポンスチタンアルミ合金ターボチャージャーを装着。もちろん、280psだが38.0kgmの最大トルクを2750rpmから発生する低速域でストレスのないトルクフィールが、コーナーからの立ち上がりでアクセルONに従順に反応した。
ほかにも平成時代はターボモデルが活躍していたのだが、やはり記憶に残るのはここに挙げた5台である。
【画像ギャラリー】世界初可変圧縮比2L・V6ターボ登場記念!! 松田秀士氏が選ぶ平成の「世界ターボ遺産」(14枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方一瞬何故ランエボって思ったわ(笑)ま、語り継ぎたいターボ車って結構あるよ。ランエボもだけど、日産のSRエンジンとかね。
どこに2L V6ターボが?