■ATとMTのどちらが多いのか?
運転免許を取得している人のうち、AT限定で取得している人数はどのくらいなのでしょうか。警察庁が公開している令和3年中の運転免許試験実施状況によると、次のとおりとなっています。
【令和3年中の運転免許試験実施状況:普通自動車】
・普通第一種免許受験者数:166万306人(合格者数:123万1297人)
・普通第一種免許AT限定受験者数:119万1053人(合格者数:87万4662人)
※警察庁「運転免許統計 令和3年版」より
この統計データは、若者だけに絞ったものではないものの、普通車の免許をAT限定で取得しようとする人が70%以上であることが明らかです。
筆者がかつて指定自動車教習所に勤めていたときは、限定なし(MT免許)で教習所に通っている人もいましたが、世代を問わずAT限定で通っている人がほとんどでした。
AT限定免許を選ぶ理由としては、「MTを運転する機会がない」や「家の車がATだからMTの必要がない」などが多かったです。つまり、MT免許の必要性が低いという理由でAT限定にしているケースが多く見られました。
一方、限定なし(MT免許)で教習所に通っている人の多くは、「仕事の都合で必要」や「乗りたい車がMT車だからMT免許でなければならない」など、MTを運転しなければならない事情があるケースがほとんどです。
また、教習所に通う人の中には「まずAT限定で免許を取得して、必要になったら限定解除する」と考えている人もいました。
このように、さまざまな理由によりAT限定免許で取得する人数が多いと考えられます。
■少子高齢化により免許取得者数の減少は避けられない
免許取得者数は、少子高齢化により減少しています。そのため、「20年前より免許取得者数が減少しているため、若者の免許離れが進んでいる」というのは誤った認識だといえるでしょう。
内閣府の統計によると、40歳〜44歳の人口は8,172千人です。一方、20歳〜24歳の人口は6,264千人となっています。20年前に20代前半だった世代より、現代の20代の方が200万人ほど人口が少ないため、免許取得者数が減少するのは必然だといえるでしょう。
また、20歳〜24歳までの世代は、働いている人だけでなく、大学生や専門学生も多く、就職活動や受験が終了した後に免許取得を考える人も少なくありません。
そのため、多くの人が社会人となる25歳〜29歳の運転免許保有率(83.9%)は、20歳〜24歳(74.6%)より約10%高くなっています。このようなことからも、若い世代の免許取得率が下がっていると断言することはできないでしょう。
■免許を取得する人数が減少している現在における教習所の対策
少子高齢化により、免許取得者数が減少している現代において、教習所はどのような対策を行っているのでしょうか。
教習所によって内容は異なるものの、早期申込割引やオプション料金を無料にするなどのキャンペーンが行われているようです。キャンペーンは、学生を対象としたものや社会人・主婦を対象としたものなど、さまざまな種類があります。
もし、免許取得を検討しているのであれば、教習所のキャンペーンを利用したほうがお得だといえるでしょう。また、冬休みや夏休みなどの長期休暇を避けたオフシーズンは、教習所が生徒を欲しがる時期であるため、お得なキャンペーンが多かったり、教習をスムーズに進めたりすることができます。
運転免許の取得を考えているのであれば、在校生が少ない時期や割引・キャンペーンをうまく利用して入校するとよいでしょう。
コメント
コメントの使い方車離れそら加速するよな〜って思う。給料安いけど車高いから買いたくても買えないし、若い人はとりあえず三大都市圏に行く人多いから車なんてそこまで必要でもないし
免許証がなにかと便利な身分証明書だからとりあえずATだけでもってことで取ってる人多そう