速いだけがターボじゃない 乗り味も燃費も大改善? 令和のターボ大解剖

■スポーツターボ以外のターボ

スポーツエンジン並みの性能を誇るがクルマのキャラクターを加味するとダウンサイジングターボにカテゴライズされそうなレクサス LS
スポーツエンジン並みの性能を誇るがクルマのキャラクターを加味するとダウンサイジングターボにカテゴライズされそうなレクサス LS

 上記スポーツターボ以外のターボモデルを便宜的にダウンサイジングターボ、ミドルサイジングターボに分類したのですが、境界線にあるのがクラウン・ハイブリッドターボとレクサス LSの3.5Lターボ(422ps/600Nm)です。

 クラウンはエンジンだけをとったら2.4L 272ps/460Nmでリッター当たり113馬力。トルクは巨大ですがエンジンのチューニング度は高くありません。

 ただ、デュアルブーストを謳うターボ+モーターのシステム出力は349馬力にも上ります。今回はエンジンに重点を置いてダウンサイジングに入れましたが、今後ハイブリッドスポーツカテゴリーは確実に登場することになると思います。

 また、レクサスLSは3.5Lターボで422馬力/600Nmで、リッター当たり120馬力となりスポーツエンジン並みの性能を誇ります。

 しかしこのクルマに限っては、欧州ハイパフォーマンスセダン(サルーン)をライバルに置いてレクサスのフラッグシップモデルとしてパフォーマンスを与えるのが狙いなのでしょう。クルマのキャラクターを勘案してダウンサイジングにカテゴライズしました。

 近年のターボの使い方は、排気量に対して小型化し、レスポンスをよくするのがトレンドで、それで十分に速さやスポーツ性を感じさせるパフォーマンスを発揮しているので、単純にダウンサイジングとかミドルサイジングという言葉でくくりにくいのです。

 スバルのターボエンジンはその好例で、速さ、伸びの良さを備えながら、ひとクラス大きなエンジンを感じさせる走りの余裕を作り出しています。

 典型的なダウンサイジングエンジンとして挙げられるのはステップワゴンでしょう。ステップワゴンは1.5Lで150ps/203Nmのパワーとトルクを発生しています。

 同じ1.5Lでクラス分けは明らかにダウンサイジングターボなのですが、同時にスポーツエンジンとしての成立しているのがシビックです。1.5Lで182ps/240Nmを発揮。リッター当たり121馬力になります。

 もはやダウンサイジングだからおとなしいエンジンとは限りません。ターボの性能や、制御の進化、さらにはハイブリッドモーターとの組み合わせによって、刺激的な速さを持ちながら好燃費性能も両立するエンジンがまだまだ登場してきそうです。

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