■編集部アカザワはこう見た!!
日本で正式発表されてから密かに気になっていたヒョンデIONIQ5だが、遂に『よってたかって』企画で乗る機会がやってきた!!
何が好きってこのボディデザイン。一目見ただけで「あ、IONIQ5じゃん」ってわかるエクステリアとライトのデザインが本当に好きで、走りがどうなのか非常に気になっていた。
ぶっちゃけて言うと、乗る前はかつて『ヒュンダイ』と呼ばれていた時代の印象が強く、いわばバイアスがかかった目で見ていたフシがあった。
ただ乗り込むと室内のデザインが綺麗かつ明るい色調で、乗る人全員をワクワクさせてくれるような空間だなぁと思った。
あと何気に車内に森や雨などの環境音が流せるようになっているのは面白い。SA/PAで仮眠を取る時もこれならリラックスして寝られそう。
そして一番気になっていた走り。一番驚いたのは静粛性や乗り心地のよさ。路面のギャップや轍も綺麗にいなして不安感なく走れるあの感覚は自分が想像していた以上の出来でした。
これは装着しているミシュランタイヤの設計もさることながら低重心、サスのセッティングが決まっていることも乗り心地に影響しているのかなと思う。これで家族や友達を乗せて旅行に出たら楽しそうですね。いいクルマですよ!
●編集部アカザワの評価
・パワー感:★★★★☆
・乗り心地:★★★★★
・お買い得度:★★☆☆☆
■編集部オグマはこう見た!!
ヒョンデ日本再進出のニュースの際に初めて見て、素直に「これはカッコいい!」と思ったのがアイオニック5の第一印象。プライベートでカーシェアの車両を借りて試乗するほど、個人的に注目している一台でした。
アイオニック5の特筆すべき点はインテリアだと思います。国際線のエコノミークラスという表現がわかりやすいでしょうか。
特別高級な素材を使っているわけではないですが、仕立てがよくとっても居心地がいいです。一方で、白基調のディスプレイは情報過多で疲れます……。
今回の試乗車は4WDの最上級モデルでしたが、短時間だと(カーシェアで乗った)後輪駆動モデルとの明確な違いはわからず。
逆に言えば、試乗車より100万円以上安いベーシックモデルでも満足度は相当高いと思います。全グレードにEV専用のミシュランタイヤが装着されるのも、乗り味の観点から評価できる点です。
エクステリアの嫌味のない未来感とインテリアの心地のよさが魅力である一方、操作系や情報系には癖があり、慣れるまでは疲れます……。新しいモノ好きにお薦めしたい一台です。
いざ買うとなると、アフターサポートを受けるうえで「また日本から撤退しないよな……?」と疑ってしまうのが1番心配な点でしょうか。
●編集部オグマの評価
・パワー感:★★★★☆
・乗り心地:★★★★☆
・お買い得度:★★★★☆
■評論家2人はIONIQ5をどう見たのか?
●評論家・渡辺陽一郎はこう見た!!
外観はコンパクトカーに似ている。全長は4635mmだが、ホイールベースは3000mmと長く、全長の65%を占める。この寸法比率が、ノート、ヤリス、ホンダeなどと等しいからだ。
ホイールベースが長いため、カーブを曲がったり車線を変える時は、慣性の影響を受けにくい。駆動用電池も床下に搭載して重心を下げたから、走行安定性が優れている。乗り心地は少し硬い。最小回転半径は約6mと大回りで、ボディ後端のピラーも太いから、後方視界もよくない。
モーター駆動だから、瞬発力は極めて強い。アクセルペダルを深く踏むと、蹴飛ばされたように速度を高める。EVならではの運転感覚だ。
車内に入ると、後席の足元は広いが、床下に駆動用電池を搭載したから、腰が落ち込んで膝は持ち上がる。インパネ周辺の素材や装飾など、日本車に似た部分も多い。
IONIQ5は、無国籍的で、走りから居住性まで長所と短所が常に混在する。粗削りだが、前述のとおり運転感覚は凄い。外観も個性的だ。この世界観は、新しいアイデアを常に模索する人たちには共感を得やすいと思う。ユーザーの気持ちをいつもオンに保つ効能があるからだ。
ジジイの私は伝統あるブランドの安らぎが欲しいが、心身ともに若い人にはIONIQ5がふさわしい。
●評論家・片岡英明はこう見た!!
IONIQ5はヒョンデが全力で開発し、送り出した力作だ。初めて乗ったあと「こりゃスゴい。日本勢はもっと頑張らないと海外市場で負けちゃうな」と思ったもんだ。
後輪駆動ベースだから操る楽しさに満ちている。4WDは気持ちよく向きを変え、コントロールしやすいのも美点だ。懐の深い走りを楽しませてくれた。
動力性能も満足できるものだ。モーターは瞬発力が鋭く、瞬時にパワーとトルクが盛り上がる。だから2.1トンの重量ボディを意識させない鋭い加速を披露した。だが、尖った性格ではなく高級車然とした上質な走りも見せてくれる。ワンペダル運転のiペダルも慣れると便利な装備だ。
キャビンは広く、開放的だった。後席でも足元は広々としており、リラックスできる。ラゲッジもそれなりに広く、大容量のグローブボックスなど、収納スペースも多い。快適性は日本のBEVの一歩上をいく実力だ。
加速しても驚くほど静かだった。エアコンより電力消費が少ない暖・冷風シートや蓄積した電力が家庭用機器などの電源になる「V2L」を標準装備し、家とつながる「V2H」に対応していることも大きな魅力。
取り回し性が悪く、路面によっては乗り心地に粗さを感じる。ナビなどの操作性も今一歩だが、買い得感はかなり高い。
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