愛車に消火器は必須なのか!? この季節に多発する車両火災の意外な原因とは?

■車両火災の原因と防止

やはり、というべきか、オイルやガソリンなどの漏えいが車両火災原因のトップとなっている(serhii@Adobe Stock)
やはり、というべきか、オイルやガソリンなどの漏えいが車両火災原因のトップとなっている(serhii@Adobe Stock)

 また令和3年の消防白書では、車両火災の出火原因のトップ3として下記を挙げている。

1位:排気管(着火物の漏えい等)15.0%
2位:機関内配線(配線のショート等)8.7%
3位:電気機器7.3%

 また放火(放火の疑いを含む)も4.5%と高い数字になっている。

 これらの資料から車両火災を防ぐには、まず油脂類のリークを見逃さないことが肝要だというのがわかる。

 インジェクター付近からのガソリンの漏れや、カムカバーのパッキンやオイルフィルターの取り付け部、カムシール、クランクシール、パワステホースなどからオイル漏れがあると、それがエキゾーストに垂れて出火する可能性が高くなる。

 定期的な点検を怠らず、オイル交換やフィルター交換をした際は、こぼれたオイルをきちんと拭き取るのも忘れずに。

 もうひとつは配線・電気系。一番危険が指摘されているのは後付け配線。エレクトロタップによる配線の分岐や簡易接続配線、三つ叉配線、タコ足配線などは、車両火災の大きな原因で、電気系が原因の車両火災の大半は、後付け配線に問題があったと言われているほど。

 ライトをHID化したり、LED化したり、イカリングにするなど、社外品に変えたことが原因で車両火災が起きた例も知られている。

 いずれにせよ、どうしても後付け配線が必要な場合は、電装関係の専門家に作業を依頼するようにすること。

 またインストルメントパネルやコンソール、ドアなどのスイッチ類に、飲み物などをこぼして濡らしたり、ケミカルスプレーなどがかかったりするのもショート、発火の原因になるので要注意。

 もうひとつ、バッテリーのターミナルが緩むことで発生するショートもメジャーなトラブル。端子とバッテリー本体の確実に取り付けを見なおしておきたい。

大雨などで浸水した道路を走行すると電気系をショートさせる危険がある(Aleksandr Lesik@Adobe Stock)
大雨などで浸水した道路を走行すると電気系をショートさせる危険がある(Aleksandr Lesik@Adobe Stock)

 さらに大雨の時、冠水路に侵入してしまうと、電気系をショートさせるリスクが高まる。

 そしてJAFでは、整備や点検の際、エンジンルーム内へのウエスや工具の置き忘れによっても火災が起きる危険性が高いと注意を呼びかけている。

 その他、駐車場などでエンジンをかけたまま仮眠をした際に間違ってアクセルを踏み込んで、エンジンが空ぶかしで高回転状態を続けた結果、車両火災が発生した例も……。

 レアなケースでは、フロントウインドウにアクセサリーなどをつるす透明の吸盤が、凸レンズになって太陽光が集光され、内装が燃え出すパターンや、車内に置いておいたライターやスプレー缶が夏場の高温で爆発したという報告もある。

 したがって、クルマには、吸盤、ライター、スプレー缶の可燃性のものや、ペットボトルなど、余計なものを積みっぱなしにしないことも車両火災の防止になる。

 最近では、クルマ用の小型の消化器(炭酸ガスタイプ)も、ホームセンターやカー用品店でよく見かけるので、もしもに備えこうした消火器を購入し、常時クルマに積んでおくのもおすすめだ。

【画像ギャラリー】燃えるのは「クルマへの愛」だけにして!! 車両火災の原因と防ぐ方法(6枚)画像ギャラリー

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