■ボタンスイッチ式を広く採用するホンダ
日本メーカーで最もセレクトターの設定で先進的といえるのは、ホンダに違いない。
コンパクトカーのフィットは一般的なストレート式レバー式を採用しているが、フリードではe:HEVモデルのみ電制シフトを採用するいっぽうで、他のガソリンエンジン+CVT仕様では見慣れたストレート式シフトレバーを設定している。
CVTが市場で多数を占めるために、コストに配慮した一般的な仕様としたとも考えられる。
対して、上位車種の新型車ではボタン式の採用を確実に進めている。まず新型ステップワゴン(5月26日発売)でのe-HEV仕様では「エレトリックギアセレクター」を採用。セレクターボタンのみ(Rポジションはプル式)の装備としている、ガソリンエンジン仕様にはストレート式シフトレバーが与えられている。
シビックのトランスミッションは6速MTとCVTに加え、2モーターハイブリッドシステム採用の「e:HEV」(6月30日発売)では、アコード(セダン・ハイブリッド)から受け継がれたレバーを廃したボタン(プッシュ)式を採用。シビックでは細部の仕様も煮詰められ、反力を高めて操作性を向上させている。
■「e-POWER」とともに仕様の共通化が進む日産
シリーズハイブリッドの「e-POWER」採用のSUVである日産エクストレイル(7月20日発表、同25日発売)は、シフトノブに近いような小型レバー(のシフト後に物理的な中立位置に戻る)の電制シフト機構を採用、N(ニュートラル)であることは表示で確認することになる。
エクストレイルはノートと同様に全グレードでパワートレーンがe-POWERに統一されているため、コストも考えれば無駄のない設定といえる。
日産のe-POWER車の最新仕様ではシフトレバーのデザインはほぼ共通化されてきた。ちなみに、リーフから続いているレバー上部にPポジションの選択ボタンが据えられているデザインは、e-POWERモデルでは新旧問わず共通となっている。
■BMWも小型が進む「シフトノブ」今後はどうなっていく?
最後に輸入車のシフトレバーの変化を、ドイツ勢の代表例として取り上げておこう。BMW3シリーズはマイナーチェンジを受けて(9月20日発売)、フロント部の変更を含めて細部にわたってリニューアルを施している。
BMWの基幹モデルとしては大胆とも思えるが、上級モデルから順次シフトレバーの「最小化」を進める流れを受けて、マイナーチェンジを受けた3シリーズでは、インテリアでもセンターコンソールにおいてシフトレバーを廃止して、スイッチ類のみの構成となった。
方やの急先鋒といえるテスラのシフトレバーはどうなのか見ていくと、最新のモデルSでは、ボタン式かと思いきや、ステアリング右側にあるシフトレバーという、時代に逆行したシフトレバーを採用しているのがおもしろい。
今後は、トヨタ車のように極めて小さいシフトレバー、日産車のEVやe-POWERに採用されているようなマウス式、ステップワゴンのようなスイッチ式など、いまやフロアにデカいシフトレバーを前後に移動させる昔ながらのシフトレバーは絶滅していくのではないか。
いずれにしても高齢者が、いまどこのポジションにあるのかわかりやすい表示、そして急発進しない、間違えない方式のシフトレバーにするよう、徹底してもらいたいものだ。
【画像ギャラリー】電制シフトは激ムズ!? そしてすでに「レバー」ではない!! 最新車のシフトパターンとシフト変更装置(12枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方「高速道路を走行する際に選択して燃費向上にも利用できる…」ほんとにカーライターか?
Nレンジは牽引以外で使用するメリットはなにもありません。危険や故障の原因ばかり。
ガソリン車でもDやB,Sなら燃料カット等働くが、Nではなんの制御も働かず危険。
ハイブリッドや回生機能付の場合、Nでは充電機構から切り離されているため、電池残量次第ではシステムオフ、つまりガソリン車でいうエンスト状態になり危険。
「e-POWER」Dレンジ走行優先Bレンジ回生優先 Nモード、ガソリン車ごとし。