価格差を生み出すのは施工台数と人件費
ボディコーティングにかかる経費は、薬品の仕入れと施工する人の人件費が主である。施工台数が増えれば増えるほど、コーティング薬剤の仕入れが一括で大量になり、1個当たりの単価が安くなるのだ。その分、提供価格も安くできる。
基本的には新車への施工が大多数を占めるディーラー。コーティング専門店やカー用品店に比べると、コーティングを施工する台数が少ない。そのため、部材の仕入れ単価が高くなり、価格競争では不利だ。
また、施工にかかる人件費も高い。ディーラーの整備士にコーティングを施工させようとすれば、専門の技能が必要となり、教育に費用がかさむ。さらに、コーティング施工中には、他の仕事(整備や検査)が出来なくなり、ディーラーのサービス提供体制を圧迫してしまう。
そのため、コーティングには外注業者を使うことが多いのだが、外へ頼む分、人件費も相応に高い。
こうした経費を価格に転嫁しなければならず、ディーラーが提供するボディコーティングの価格は高くなっていくのだ。
ディーラー施工するメリットは? 営業マンがボディコーティングを勧める意味
標準的なボディコーティングでは量販店に負けてしまうため、ある時期からディーラーのボディコーティングは高級志向に変わってきた。量販店が扱わない商品に注目し、輝きやはっ水力などにこだわっている。5年超の長期間効く高価なコーティングを探しているなら、ディーラーで高額なコーティングを施工してもらうのも悪くない。
ただ、ノーメンテで1年から2年、メンテナンスを行っても3年程度で期限が来るコーティングに関しては、量販店や専門店で行う方が良いだろう。価格が安く、施工時間も早い。さらに専門をうたっているだけあって、仕上がりもきれいだ。
筆者は現役営業マン時代、コーティングの施工を勧めてきた側の人間である。ユーザーのクルマへの興味度合いによって、勧めるものを分けていた。クルマはディーラーにお任せという人には、少し高いが自社のコーティングを勧め、クルマが好きという人には専門店での施工を勧めていたものだ。
当時はボディコーティングに対するインセンティブがほとんどなく、筆者はこのような方法を取っていたが、今は少し様子が違う。
新車の契約が取れても納車が1年後という状況。営業マンのインセンティブは登録(納車)ベースで支払われていくため、営業マンの報酬は厳しい状況が続いている。
そこで、ディーラーの中にはボディコーティング等の契約件数に応じて、特別インセンティブを支払うお店が出てきた。そのため、営業マンは自社ボディコーティングの獲得に躍起になっている。
コーティング選びは難しい。高いものには高いだけの理由があるが、そのメリットを自らが享受できるのかどうかが重要である。選択基準を一点に絞り、どこでどのコーティングを施工するのかを考えてほしい。
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